これを見た客は誰しもが、等価交換営業を止めてしまったのだと、錯覚してしまう。等価交換なのだから台を移動するのに何ら問題はない。

常連客の一人がこれを見て、従業員に理由を聞いた。
「最近、他店コインの持ち込みが増えてきて、それを防止するための措置なんですよ」
この説明に納得したわけではなかった。
その常連客はジャグラーを打っていたのだが、払い出し音がなるたびに従業員がやってきて客が台移動しないかを確認するそうだ。客からすれば、鬱陶しいことこの上ない。
片手に収まる量のコインを持って席でも立とうものなら、すぐに従業員が飛んできて「貯メダルしてください」とお願いに来る。
これではまるでお客が悪いことでもしているかのようで、お客を不快な気持ちにさせる。
明らかにお客のことを性悪説として捉えている。そうではなくて、「従業員の監視体制が悪いだけ。お客を疑いの目で見る態度が気に入らない」と憤る。
この店は地元で50年以上の営業歴を誇る老舗で、高稼働ホールとしても知られている。
この注意書きはいくつかの誤解を客側に与える。
台移動が禁止ということはまず、等価交換ではなくなったものとお客はみなしてしまう。
特にこの店を初めて訪れた客は、台間メダル貸機の注意書きを見て、等価交換ではないと思い込み、1000円以上はおカネを使わない可能性だって出てくる。
そして、払い出しの音を聞くたびに従業員が飛んできて、台移動しないかを監視するので、客を不快にさせてしまう。
これでは、この店では打ちたくなくなる客だって出てくる。1カ月後、3カ月後に稼働の変化が現れるかどうかは、また、その常連さんから報告してもらうことにするが、要は他店コインの持ち込みができない仕組み作りをすればいいだけの話だ。
空港に設置されている金属探知ゲートや穴あきコインなどの持ち込み防止策もある。

自店のコインに穴を空けて他店コイン持ち込みの抑止効果を狙うものである。
台移動を禁止するよりは、こういった方法を採用することも一つの手ではある。

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