パチンコ日報

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人材格差が企業格差にならないために

ホール企業に勤務するA君は、新卒入社2年目で東京6大学を卒業していた。



見た目は普通で、会話も普通にできる。特段変わったところはなかったが、少しずつ「おや?」と思うような行動を取るようになった。



本人が公休日でも、ホールが忙しい時は、店長が出勤をお願いすることもあった。休日出勤手当てが付いた。



それは店長が指示してから、出勤となるのだが、A君は公休日に「きょうは働けるので出てきました」とタイムレコーダーを押して働くことがたびたびあった。



周りは店長の指示の下に休日出勤していると思ったら、本人の独断だった。



無断で休日出勤していたことを注意するとA君はこう言い放った。



「居酒屋でアルバイトしている時は、許可なしでも出勤できました。だから許可はいらないものと思っていました」



アルバイト先のことが基準になっていることに、唖然とするばかりだった。



この時、初めて分かるのだがA君は、就活で約150社のエントリーに失敗していた。



ある日、遊技を終了した客の玉を運んで、ジェットカウンターに流す作業を行っていた。お客はカード会員で貯玉を希望した。A君は間違ってボタンを押して、レシートを発行してしまった。



カードにデータを移すべく、カウンターに向かった。



ところが、カウンターに到着すると、肝心のレシートがない。ポケットのどこを探してもレシートがない。



一瞬のうちにパニックになったA君は、お客に謝ることも忘れて、ホール内を四つん這いになって探し始めた。その光景が異様に写った。



このホールでは、男性社員でもカウンターに入ることがある。



この時「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」と元気なあいさつを行っていた。



まさに、威勢のいい居酒屋風のあいさつだった。



店長はホール向きではないので、もう少し声を抑えてあいさつするようにアドバイスした。



するとA君は「前の職場ではそんなことをいわれたことがない!」と逆切れし始めた。



またしても、行動基準がアルバイト先になっている。



A君のためにも、事あるごとにホールの基準に合わせるように注意していたが、A君は自分が全否定されているように思い込むようになった。



やがて会社を休みがちになって、2~3日会社を休むこともあった。



鬱になっていた。



家族と同居していた。



親が「会社が原因で息子が鬱になった。息子がこうなったのは、店長の責任。民事で訴える」と言い出した。



ことの一部始終を会社に報告していなかった店長は、訴えるといわれて狼狽している。



最近の若者は社会常識が特になくなっている。



アルバイトとはいえ、履歴書がえんぴつ書きだったり、写真を貼っていない、印鑑を押していない、ケータイ番号は個人情報だから教えられない、遅刻するのに電話もしてこない…などなど。



ホールの新卒採用にしても、大手を落ちた人材が中小の受け皿になっている傾向が顕著になってきている。



企業格差が人材格差になって現れている。



これからの店長は稼働を上げることだけでなく、人材教育能力や人事管理能力まで問われてくる。



最初の採用の時にポテンシャルの高い人材を見極める必要があるが、受け入れるホール企業に相応の魅力が必要になる。さらには、優秀な人材を振り向かせるだけの魅力がある人事担当者を投入する必要がある。



そこで注目されているのが人材アセスメントだ。



これは企業が人材を配置するにあたり、その人物の潜在的な性格や適正を事前に評価することである。



つづく



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封入式雑感

封入式が開発されるようになった原因の一つが不正対策であることはいうまでもないことだが、ゴトなどによって裏世界へ流れる金額を6000~8000億万円、とある日工組メーカーが試算している。



単位は6000~8000万円ではなく、6000~8000億円である。



最近も慶次の不正基板が発見されたが、カシメが壊された痕跡もなければ、プロの目から見ても開封された形跡がない。



それでいて異常な出方をしていた。



流通過程のどの時点で不正基板に差し替えられたのか? という問題もあるが、封入式になれば不正が起こった時点で機械が動かなくなるとも言われている。



そうなれば、裏世界に流れていた6000~8000億円が本来のユーザーに還元され、客離れに歯止めがかかることも期待される。



法改正より先に、来年11月には封入式の実機がお目見えするところまで近づいてきた、ともいわれている。



法改正を待って開発したのでは遅いからでもある。



しかし、封入式の登場をありがたく思わない団体や会社も多い。遊技場自動サービス機工業会や部備品メーカーがその勢力である。今まで通りの商売が一番不要になってくる分野でもある。



封入式を推進する中心人物は「10年先にパチンコ業界そのものがなくなるよりも、産業として生き残きのこらなければならない。知恵を出し合ってパチンコを文化として残したい。それはわれわれの手にかかっている」と説き伏せた。



パチンコを文化として残して行く過程で、多少の血が流れることも覚悟しなければならない。自分で生き残る道を考え、知恵が出ない会社はこのまま業界から立ち去りなさい、ということにも読み取れる。



今から商売替えを考えろ、といわれてもそうそう簡単に新たな分野が見つかるわけでもない。



封入式は出玉よりもゲーム性を追及して大衆娯楽の復権を目指す、という。その前に不正がどの程度根絶できるのか。



完全に不正が根絶できるとなれば、セキュリティー会社も商売替えを強いられることにもなる。



不正根絶と引き換えにホールのデータは第三者によって丸裸にされる、という不安もある。



封入式はホールのためよりも、メーカーが海外のカジノ市場に活路を見出すための一面もある。





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弊害の合わせ技で斜陽になったP業界

今のパチンコは回らないから面白くない、といわれているが、なぜ、ここを解消しようとしないのか?



回せない理由は金融機関に返済する金額は待ったなしで、どんなに売り上げが下がろうとも毎月必要な粗利は変わらない。



一般業種は売り上げが下がれば、当然、粗利も下がるのだが、不思議なことに売り上げが下がっても、パチンコ業界だけは、売り上げが下がる前の粗利を簡単に確保することが出来る。



釘1本で利益コントロールが容易にできるからだが、その劇薬をホール側は使い続けているために、客離れを引き起こしていることが分かっていても、それを止められない。



では、いつごろから返済の歯車が狂い始めたのかを検証する必要がある。



情報のディスクロージャーという御旗の下に、データ公開機器という新しいジャンルの商品が発売されて20年以上経過した。



出玉共有、台移動自由が業界スタンダードになってから、ボーダー理論に基づいてウチコ軍団なるプロ集団が跋扈するようになった。



ウチコ軍団は情報公開と出玉共有が生んだ業界のあだ花でもある。



パチンコ営業の本来の姿は、交換差益だった。160%まで玉を出してもトントンで営業ができたので、ホールもどんどん玉を出すことができた。



等価、高価交換が主流になるに従って、機械の設計も変わった。



「昔はお客さんが10人いたら、3人が勝ちで、2人が引き分けで、5人が負ける感じだったが、等価になってから引き分けがなくなった。機械代が高くなったので負ける人が増える設計にもなっている」(ソフト開発者)



元店長は、常々「パチンコの営業の秘訣は、合わせ技の集合体を作ることだ」と持論を展開している。



営業成績を上げるためには数々の合わせ技の集合体である、ということだが、パチンコ業界がここまで斜陽産業になってしまったのも、数々の弊害の合わせ技が生んだ結果であることが分かる。



業界が売り上げ至上主義に走り、射幸性の高い機械を好む客層をせっせと育ててきた。



監督官庁も含めて、その反省から業界は遊パチに舵を切ったが、まだまだカネのかかる贅沢な娯楽であることには変わりはない。



比較的富裕層が多い、地区でグランドオープンしたホールは4円をメインに勝負に出た。



2カ月後の日曜日。



4円のタロウ、おそ松に客はまばら。



賑わっているのは1円だが、新たに40銭コーナーも加わり、低玉貸しコーナーはほぼ満台状態だ。



1円で採算が合うようにスケールダウンしていくしか業界の生き残る道はないのだろうか。



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65歳以上のシニア専門店の可能性

大阪近郊の住宅都市。私鉄駅前ビルの地下街はシャッター通りとなっていた。乗降客は多いのに、駅前ビルへの人の流れが途絶えて久しい。



駅前の一等地なのに地下だけでなく、1、2階のショッピングフロアーもシャッターを閉めた店舗が目立つ。



久しぶりに地下街を歩いてビックリした。



シャッター通りだったのに、真新しいカラオケの店があるわ、あるわ。



その数6店舗。















昼間はアルコール付きで1000円、夜は2000円という値段が相場のようだ。



客層は仕事をリタイアした団塊の世代から後期高齢者が中心だ。一つのビルの地下街に、これだけのカラオケ喫茶がオープンしたということは、それだけの需要があってのことだろう。



団塊の世代はまだまだ元気で、時間とカネはある。



毎日、カラオケも飽きる。



ちょっと昔、大阪・天神橋筋に65歳以上のシニア専門のゲームセンターがオープンして話題になったことがある。



立地条件はいいのに稼働の取れない小型店舗は、いっそ、65歳以上のシニア専門店に衣替えしてみるのも一考かも。



釘を思いっきり開けても、65歳以上ならウチコ軍団に狙い撃ちされることなく、本来の顧客に還元できるメリットがある。



ネックは所轄の許可。



かつて静岡県で女性専門店をオープンさせる動きがあったが、静岡県警は「客を差別してはいけない」という理由でNGを下したことがあった。



過疎地のホールは制限しなくてもクリアしているか。





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