この中で、パチンコの換金を違法化し公営企業に転換させる項目も入っているようだ。
日本維新の会の代表である橋下大阪市長は、国会議員の作成した素案について「国会議員団側のたたき台ですりあわせもしていない。表現に稚拙な部分もあり、これから激論する」と述べている。
日本維新の会が結党した時から、国政について、どちらがイニシアチブを取るかで橋下氏と国会議員の間で溝が出てきているように、この素案がどうなるかもまったく分からないが、パチンコの換金を違法化して公営企業に転換させるとは、業界にとっては寝耳に水。
10月をもって解党する日本創新党が「パチンコの違法化」を党の政策に盛り込んでパチンコの廃絶を狙ったのに対して、維新の会は公営化に転換するというところが大きな違いだ。
このパチンコ換金の違法化素案に対して、民主党関係者から疑問視する声が挙がっている。
「換金の違法化だけを掲げればいいのに、これだけでは実現できそうもない。そこで公営化を入れたのは、マニフェスト違反にならないように逃げ道を作っている。逆に公営化を入れたことでハードルが高くなった」
換金を違法化するといっても、パチンコは警察からの許可営業で、明確な違法性がない。
「換金が違法というのであれば、特殊景品を廃止すればいいだけ。その代わり市場性の高い1万円の賞品を提供して、それを古物商の免許を持った業者が買い取ればいいだけで、逃げ道はいくらでもある」
維新の会の国会議員が作っただけの素案で、恐れるに足らない、ということのようだが、政局は刻々と変化してきた。
石原新党が維新の会と手を組んだ時に、パチンコの換金の違法化は現実味を帯びてくる。
東日本大震災直後に電力不足になった時、石原都知事はパチンコバッシングの急先鋒だった。
非公式ながら条例でパチンコを禁止することを検討した、ともいわれている。
石原新党の狙いは「国家の官僚による硬直した日本支配を壊すこと。原発をどうするとか、消費税をそうするとかいうのは大事な問題かもしれないが些細なこと」と述べている。
さて、業界にとってはありがたくない風が吹こうとしているが、民主党関係者はこう〆る。
「公営化とは換金所を公営化する意味かもしれない。ホールに取っては換金所が公営だろうが民間だろうが、関係ないこと。換金所を公営化するとなれば、換金が合法化され業界にとってはいいこと」
政治の世界は一寸先は闇だ。

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