ECOパチになれば、まず従来のような補給装置が不要になり、真っ先に影響を受けるので死活問題となるが、代表的な補給メーカーである、エース電研、竹屋、大都はいずれもパチンコ機を製造できる日工組メーカーに加盟している。
日工組メーカーなので努力次第では、ヒット機を世に送り出すこともできる。
ECOパチになって、販社の生命線でもある中古機流通にどのように絡んでいけるのかは、まだ皆目検討もつかない。
それはそうだろう。ECOパチが市場に登場していない段階ではなんともいえない。
ECOパチの進捗状況そのものが、販社の団体まではなかなか下りてこない。
「現在、中古機を移動する時に27項目の点検確認項目があるわけですが、ECOパチになれば、そういう点検確認がどの程度必要なのかもまったく見えてきません。そうなった場合、中古機移動で販社そのものが必要になってくるのか、ということです」(中堅販社社長)
全盛期には30人の社員を抱えていた、というが現在は社員数も10人に縮小している。
メーカーの力が強くなればなるほど、直販体勢を敷いて来ている。新台を販売できる分野そのものが侵食されてきている。
そうなると、必然的に販売力が弱い下位メーカーの機械を扱うことになるが、二流メーカーの機械のセールストークは、どれだけ利益が取れるかにかかっている。
4円離れがこれだけ顕著になっている時に、利益が取れる機械を入れたところで、長期稼働など望めそうもない。
「一流メーカーの機械は失敗しても、『しょうがない』で済ませてもらうことができます。いい目もさせてもらった実績があるので、次を期待してくれるからです。ところが、二流メーカーは1回の失敗が命取りになります。その結果、どのホールも似た機種構成になり、ホールそのものの特色がなくなっています。一流メーカーは直販体制なので、われわれ販社は二流メーカーの機械しか扱えないので、販売台数は落ち込むばかりです」(同)
ECOパチになれば、少しでも不正を行った場合、機械そのものが動かなくなるともいわれている。例えば、ぶら下がりなどを取り付けるためにコネクターを外しただけで、断線=不正と判断して、再び差し込んでも機械は動かない。
そういう仕掛けになっていれば、中古移動のセキュリティーチェックも大幅に簡素化され、設置した時の動作確認で終ってしまいそうだ。
そういうことも考えれば、販社の存在価値もだんだん薄れていく。
「昔は、色んなメーカーの機械が扱えて、その時々のいい機械を選定してホールさんに提供することに販社の存在価値があったが、今は機種の適正スタート回数などの情報を提供することぐらいしかなくなってきている。50年後に販社がどういう形で存続しているのか、気がかりなことはその一点です」(同)
この30年間あまりで、機械代は4倍に跳ね上がった。
これがメーカーが強くなった根源である。

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