ユーザーが新台に座るのは、色々な理由があるが、いくら好きでも毎日同じものを食べていたら飽きるのと同じで、たまには、新しい味を食べて美味しいかどうか確かめる意味合いもある。
「女房と畳みは新しいほど良い」
男子が強かった封建時代の諺で、現代社会で使っていると顰蹙ものであるが、パチンコの新台にお客が付くのもこれに近いものを感じる。
新台は必要である。
で、マーケティングの話に入る。
マーケティングの定義の一つに「お客様に価値を提供してお金をいただくこと」というのがある。
メーカーはホールに新台を買ってもらってお金を頂いているわけだが、ホールにしか目が向いていないマーケティングに終始しているから、エンドユーザーからは不平、不満しか出ないのだと思う。
ホールに買ってもらうためには、稼働もさることながら、いくら売り上げが上がるかがセールスポイントになってくる。
売り上げを上げる機械を開発するためにメーカーが腐心していることが、いかに客をトランス状態にさせてお金を使わせるか。
それがやたら長いリーチ演出で、ハズレをハラハラ・ドキドキ感を持続させるために爆音と殺人光線とギミックでフォローしているのが最近の機械作りの特徴である。
メーカーの機械作りの姿勢に対してエンドユーザーは怒っている。日報にもユーザーからコメントがいくつか入っているが、メーカーはこうした声をどのように考えているのか?
「個人的には音より眩しさをどうにかしてほしい。台枠なんか光る必要性ないと思う」
「光もそうですね。眩しくて目に疲労が残ります。テレビではてんかん防止でフラッシュ抑えてるのに、パチンコは派手になるばかり…。メーカーは演出や煽りを刺激的にすることだけ競争してるんでしょう。常連だった自分ですらやり過ぎ感があるのだから、新規客からは異常な世界になりつつある気がします」
「メーカーの機種開発陣のレベルが低いからじゃねw だからくだらない役物ギミックやら爆音やら目眩まししかアイデアが思いつかないんじゃないかな」
「眩しいのはサングラス持参して打ってる。盤面をアクリル使ってる台なんかはキチガイレベル。枠自体が眩しいから盤面なんかあれだけ眩しくする必要無い」
「最近の台の音と光はどう考えてもオカシイよね。回らない台ってのはそこまでしないと打たれないもんなのかね?」
メーカーの開発陣は自分が作った台でずっと打っていられるのか?
エンドユーザーが嫌がることに耳を傾けることなく、商品開発するのはパチンコ業界ぐらいかも知れない。
どの業界でもエンドユーザーが求める価値を探し出して商品開発しているのに、真逆である。
マイボイスコムが今年3月、パチンコ・パチスロを止めた人を対象にアンケート調査を行った。
それによると、止めた理由で最も多かったのが「時間やお金の無駄だと気づいた」(38.8%)。次が「興味がなくなった、飽きた」(28.1%)だった。
光がまぶし過ぎて止めた、という項目はなかったが、音と光のマインドコントロールから解き放たれることがパチンコから足を洗うきっかけになっているかのようだ。
本来の役モノと玉の動きでハラハラ・ドキドキ感を演出すれば、爆音や殺人光線で惑わせる必要もない。
パチンコメーカーもパチンコの原点に返った機械の開発が望まれる。

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