今回の依存症対策を柱とした風営法改正を受けて、半導体メーカーなどの部材メーカーの売り上げに注目した。パチンコ機自体が電子部品の塊なので、メーカーの業績が落ち込めば、当然、部材メーカーはいの一番に影響を受けるからだ。
「本当のヒット作が出ていない。大量に売れる機種は限られている。今は1機種で売れても1万~5万台。大きな数が見込めない。来年2月からの3年間は、代替え需要はあるが、3年間の経過措置が過ぎたら、数は見込めない」(部品メーカー関係者)
さらに別の半導体メーカー関係者はこう話す。
「うちは、ピーク時でパチンコ業界の売り上げが会社全体の15%ぐらいでしたが、今は6%ぐらいまで減っています。昔は値引き交渉もない業界でいいお得意さんでしたが、最近は値引き交渉をしてくるようになりましたが、量が減っているので応じることはできません」
その後、大手ホールにも取材を申し込んだが、あえなく断られた。
ホール企業の中には財務内容を公開している。その数字を見ると、店舗数、総台数が増えているにも関わらず、売り上げの落ち込みの激しさが分かる。この10年間で見ると1店舗当たりの売り上げがピーク時の約4割減となっている。
ホール企業が売上を上げる場合、店舗数を増やせば、確実に売り上げが上がる法則があったが、4パチが揮わないことが原因で、その法則も全く通用しなくなっていることを物語っている。
無借金経営で、地元密着型経営のホールでも、ホールが笛吹けども4パチ客は踊ってくれない。
広告宣伝、イベント規制が影響していると言われているが、それだけではない。今までのやり方が通用しないというか、それだけ客離れが深刻化している。
根っからのパチンコ好き業界人が、パチンコの収支を几帳面につけている。2016年度は勝率が40.4%だったのに対して、2017年度は8月末現在で勝率が29.5%にまで下がっている。ホールが回収走っていることが数字の上からも分かる。
「今年に入ってからの勝率は、業界の先行きがないことを物語っています。これまで自分の主義で4円しか打ちませんでしたが、これからは1円で細々と遊びます」
パチンコを打つことも仕事の一環で4パチを打ち続けていた業界人ですら、今年に入ってからのホールの絞り方が酷く、「遊技でもなければ、ギャンブルでもない。おカネをドブに捨てるようなものだ」と4円から足を洗った。
ホールが必要以上に利益を取り、延命措置を図るということは、残っている客の懐を痛めつけている、ということである。その結果がどうなるかは小学生でも分かる。
お先真っ暗な話ばかりが続いたが、一筋の光明が差してきた。
「ウチは新しい規則をチャンスと捉えています。海のユーザーには受け入れられないかも知れませんが、複雑なゲーム性でスロットやゲームユーザーが喜ぶ機種の開発に着手しています。新しいユーザーを獲得するために挑戦していきます。期待してください」(パチンコメーカー関係者)と闘志をメラメラと燃やしている。
メーカーが高くて重たい機械を販売することに文句を言いたくなるのは、それにマッチしただけの稼働が取れないからだ。でも、業界の危機を救うのもメーカーだ。今までのメーカーに対する不満を帳消しにしてお釣りがくるぐらいの革命を、メーカー自らが起こすしかない。

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