パチンコ日報

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消費税減税とパチンコ業界

先の参議院選挙では、物価高対策として各党がこぞって「消費税減税」を訴える選挙戦となった。特に注目されたのは、食品への消費税をゼロにする案である。与党も含めてこの論点を無視できなくなっている背景には、止まらぬ物価上昇と、実質賃金の低下による生活苦がある。家計支援の目玉政策のように語られる食品消費税ゼロだが、その波紋はパチンコ業界にも確実に及んでくる。

パチンコ業界にとって、もっとも重要な経済指標は「可処分所得」だ。生活費や固定費を除いた自由に使えるお金がなければ、遊技への支出は真っ先に削られる。近年の水道光熱費の高騰、社会保険料の増加、ガソリン代の上昇など、家計の固定支出は拡大し続けており、その分パチンコに向かうお金は縮小傾向にある。

このような環境下で、食品の消費税をゼロにすることで家計の余裕が少しでも回復すれば、レジャーにもお金が回るのでは?という見方もある。

しかし、実際の効果は限定的だ。例えば1人あたり月の食費が3万円だとすれば、消費税8%がゼロになっても節約額は2400円。4人家族で月9600円、年間でも10万円に届くかどうか。たしかにありがたい金額ではあるが、その全額が遊技に向かうとは考えにくい。

むしろ、逆効果すら想定される。家庭での自炊コストが相対的に下がることで、「家にいる方が得」という心理が強まり、外出や外食、そしてパチンコといった外出型の支出がますます敬遠されるリスクがある。実際、イオンなどの商業施設ではフードコートからの撤退が相次いでおり、理由は明快だ。来客が減り、高い家賃で採算が合わなくなってきているからである。

さらに言えば、食品だけが無税化される一方で、パチンコをはじめとする娯楽は当然ながら10%のまま。「生活必需品は無税」「娯楽は課税対象」という構図が強化されれば、パチンコ業界はますます「ぜいたく品」の烙印を押されかねない。世間の風当たりを考えれば、この差は心理的にも社会的にも大きな影響を及ぼす。

では、業界はどう対処すべきか。ひとつの道は、「低価格で遊べる娯楽」という価値の再定義だ。物価高時代において、1000円で数時間楽しめるレジャーは他にそう多くない。

勝ち負けよりも1000円あれば数時間遊べる遊技環境を提供できれば、財布のひもが堅くなっている層に対して、安心して踏み込める導線にもなる。

また、面白いのは、フードコート撤退の流れである。小型店はスペースがないが、大型店では飲食提供機能を強化することで、“食と遊技”の複合型空間を生み出すチャンスにもなりうる。軽食・中食ニーズを取り込むことで、外食産業のすき間を埋める存在になれば、税制や政策の変化を逆手に取ることもできる。

消費税の議論は国政の話であって、パチンコとは無関係――そう考えてはいけない。税制の変化が人々の財布の使い方を変え、その結果、どこにお金が流れるかという「静かな争奪戦」が始まっている。業界に必要なのは、その変化を敏感に読み取り、遊技の価値を再構築することだ。税は変わらなくても、見せ方を変えることはできる。


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設定漏洩の闇と店長の葛藤

情報は常連客からもたらされた。常連客は、実に鋭く店内の動向を観察しているものである。彼らは、顔馴染みの他の常連客の挙動にも常に目を光らせ、誰がどのように立ち回り、どれだけ勝っているかをよく把握している。

問題の発端は、ある常連客の異常な勝率にあった。スロットで常に高い勝率を叩き出す者がいれば、それだけで目立つ存在となる。特にイベント開催時、設定6を高確率でつもっているとなれば、なおさらである。単なる偶然では説明できず、次第に疑惑は確信へと変わっていった。

常連たちの間でささやかれる噂――それは「設定漏洩」であった。

このチェーン店では、設定を決め、実際に設定を入れるのも店長の専権業務であり、それが会社の厳格なルールとして定められていた。しかし、コロナ禍という未曾有の事態が、店内の規律を乱すきっかけとなってしまった。

当時、店長自身が新型コロナウイルスに感染し、長期離脱を余儀なくされた。その際、やむを得ず代理で主任に設定作業を任せたのだが、それが常態化してしまったのである。本来は一時的な措置であったはずが、日常業務の中に自然に組み込まれてしまった。

店長が指示を出し、主任が実際に設定を投入する――明らかに会社のルール違反であった。

常連客たちの疑念を受け、店長は主任を問い詰めた。すると、主任は驚くほどあっさりと白状したのであった。事実、特定の常連客に対して設定情報を漏洩していたのだった。そして、勝ったおカネは客と主任とで折半していたという。こうした構図は、業界においてしばしば耳にする「よくあるパターン」であるが、それゆえに問題の根は深い。

主任は当然ながら退職する運びとなった。しかし問題は、それだけでは済まなかった。店長自身が大きな葛藤に直面することになったのである。

この一件を本部長に報告すべきか、それとも闇に葬るべきか。報告すれば、主任の不正だけでなく、自身が会社ルールを破っていた事実――監督不行き届きの責任――も同時に問われることになる。それは店長自身の立場を危うくしかねない。迷いは深かった。

設定漏洩。パチンコ業界でこれを完全に根絶することは至難の業である。人間が直接関与する以上、どれほど制度を整えようとも、抜け道を見つける者が必ず現れる。だからといって、防止策を講じなければ、ホールの信頼は地に落ちる。

設定漏洩を防ぐためには、いくつかの具体的な方策が不可欠だ。

まず、設定作業は必ず店長単独、あるいは店長と本部立会いの下で実施し、二重チェック体制を敷く。単独作業が必要不可欠な場合でも、設定記録を必ず写真やデジタルデータで本部に即座に送信し、監査可能な状況を常時作っておく。

次に、設定作業を担当する者に対して、厳格な守秘義務契約を結び、違反時には重いペナルティを科すことを明確にする。意識の甘さを排除し、リスクを自覚させることが重要だ。

最後に、社員教育を徹底し、不正に対する認識を高めることである。たとえ一時的な利益があったとしても、不正の発覚はすべてを失わせる。現場の一人ひとりに、改めて倫理意識を浸透させることが必要不可欠である。

以上の方策を講じて初めて、設定漏洩という根深い問題に対して、一定の歯止めをかけることができるのである。



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7月7日の熱狂と“その日限り”の誠意

あの日から1カ月が過ぎた。既出の通りだが令和7年7月7日――この日はパチンコ業界にとって一種の“お祭り”となった。

「7」が3つ並ぶこのゾロ目の日は、語呂の良さと縁起の良さで、かねてから集客効果が高い特定日とされているが、令和7年の今年はひときわ熱を帯びていた。

朝から都内の人気ホールには長蛇の列。とある旗艦店では、開店前から1000人以上の行列ができ、SNSにも「今日の並びエグい」などの投稿が相次いだ。

定年延長でまだ働いているAが仕事終わりに訪れたのは、新宿・歌舞伎町の某ホール。夜にもかかわらず、スロットコーナーはすべて満台。パチンコフロアも空き台はほとんどなく、たまたま空いていた「エヴァ」に座ることができたのは、まさに運だった。

ところが打ち始めてすぐ驚いた。

1000円で22回も回る。止め打ちしなければならないほどの良調整。最近は15回が普通、下手をすれば13〜14回という台もざらにある中で、この数値は明らかに“異常”だった。

最終的に初当たりまで600回転近くを要し、3万円を投入したものの結果は敗北。しかし、これだけ回れば納得できた。「今日は負けたけど、また来たい」と思わせる力があった。

しかし、ここで一つ冷静にならねばならない。

こうした特別に釘が開く日が、年に1回あるかないかという現実だ。ふだんは回らない台に文句も言わず金を入れ続けるユーザーの我慢と惰性によって、業界は成り立っている。パチンコ業界は、特定日だけに恩を売るような営業姿勢を続けていないだろうか。

特定日で好印象を与え、「あの店は信頼できる」と思わせ、通常日にまた足を運ばせる――そこまでは営業努力として理解できる。しかし、日頃の営業が粗利最優先で、客を「回収装置」としか見ていないような店も少なくない。釘が渋い、演出は過剰、そして当たらない。その上、広告規制で何が「熱い」のかもわからない。

本来、射幸性の演出だけで勝負する時代は終わっているはずだ。多様な遊技スタイルを認める方向にシフトし、健全なユーザー体験を提供しなければ、長期的にはファン離れが加速するだけだ。業界が「信頼の積み重ね」を特定日だけに委ねているようでは、未来は暗い。

とはいえAさんは来年の7月7日、年休を取ることにした。それを正直に会社で伝えることはできない。「パチンコを打ちたいから休みます」と言えば、「パチンカス」と認定されるのがオチだ。

でも、それでも構わないと思わせるほど、あの日のホールは本気だった。むしろ、あれほどの熱量をたった1日で終わらせてしまうことに、業界全体の限界を感じる。

年に一度だけ誠実な顔を見せるのではなく、普段からもう少し客に寄り添う営業があってもいいのではないか。業界が真に支持を得るためには、そうした姿勢の継続こそが鍵になる。

7月7日の熱狂とともに、そんな課題もAさんの胸に残った1日だった。



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ホール事件簿──運命を変えた車上荒らし

とあるホールで車上荒らし事件が発生した。ホールの駐車場には出入口にこそ防犯カメラが設置されていたものの、駐車場内には監視カメラが設置されていなかった。そのため、犯行現場の様子を直接記録した映像は存在しなかった。

客からの知らせで事態を把握したホール側は迅速に行動した。まずは警察へ通報した。同時に、店内放送で来店客に対し、自身のクルマが被害に遭っていないか確認するよう呼びかけた。

当時稼働していた約180台の遊技台のうち、100人あまりの客が席を立ち、駐車場へと向かった。

客たちは自分のクルマを確認したが、幸いにも他に被害の形跡は見つからなかった。一安心した客たちは順次店内に戻り、遊技を再開した。しかし、その混乱の中で、ひとつだけ異変が…。

1台のパチンコ台に差し込まれたままの会員カード。その台で打っていた客は、閉店時間になっても、結局戻って来ることはなかったのである。

店側は会員カードから客の氏名や住所、さらには会員情報に紐づく貯玉数を把握していた。記録によれば、その客は実に4パチで2万発以上の貯玉を所持していた。8万円相当になる。それにもかかわらず、1年が経過しても本人が来店することはなかった。

なぜ、これほどの貯玉を放棄したのか。最初は不可解だったが、やがてその理由は明らかになった。

時間を事件当日に巻き戻そう。

車上荒らしの通報を受けた警察官数名がホールに駆けつけ、駐車場で現場検証を行っていた。店内放送を受けて確認のために集まった客たちの中に、妙に挙動不審な動きをする男がいた。普通の客であれば自車を確認し、何事もなければそのまま店内に戻るだけである。しかし、その男は周囲の警察の目をやたらと気にして、目を逸らした。

警察官たちは、挙動不審客を見逃さなかった。現場にいたのはパトカーと交番から駆け付けたスクーターだった。スクーターの警察官は、挙動不審客がクルマに乗り込むのを確認すると、すぐに追跡を開始した。同時に応援を要請し、パトカーも現場に急行した。

追跡の末、警察はクルマを停車させ、車内を検査した。そこで発見されたのは、違法薬物である覚せい剤だった。男は現行犯で逮捕された。

こうして、2万発を残して姿を消した客の正体は明らかになったのである。

1年が経過しても来店しない理由、それは単に「忘れていた」からではない。男は実刑判決を受け、刑務所に収監されていることが推察される。覚せい剤所持という重大な犯罪であり、当然ながら簡単に社会復帰できるわけがない。

あの時、もし車上荒らしが発生していなければ、男は警察の目を逃れ、今もホールに通っていたかもしれない。しかし、偶然起こった事件が、彼の運命を大きく変えた。

犯罪とは、偶然の積み重なりによって表面化するものであり、いつ、どこで、どんな形で露見するかは誰にも予測できないのである。


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中小ホール企業の新卒採用と生き残り戦略

昨年度、あるホール企業は3名の新卒採用を行い、本年度はそれを上回る4名の新卒採用に成功した。しかし、この4名の採用が決して順風満帆なものではなかったことを、後に人事担当者は痛感することとなる。

このホール企業では、昨年10月に内定式を開催し、採用した4名全員が出席した。ホール側としては、内定辞退の可能性を強く懸念していたが、全員が顔を揃えたことで安堵したのだった。この内定式では、会社から5万円相当のお土産が贈呈され、新卒社員への期待と歓迎の気持ちを示す形となった。

ところが、年が明け、入社式が近づいてきた2月に衝撃的な事態が発生した。なんと、4名全員が辞退を申し出たのである。人事担当者にとってはまさに寝耳に水の事態であり、驚愕したことは想像に難くない。

特に、今年度の新人研修にはハワイ研修を予定していたにもかかわらず、それでもなお新卒社員は会社に残る決断をしなかった。これにより、人事担当者は大きなショックを受けたことだろう。

このホール企業は、採用人数から考えると決して大手ではなく、おそらく20店舗未満の中小規模の企業と推察される。そのような企業が新卒社員の大量辞退という事態に直面した背景には、業界全体の将来性に対する不安が大きく影響していると考えられる。

近年、パチンコ業界はかつてない変革期に突入している。規制強化による営業の制約、若年層の遊技離れ、コロナ禍の影響による客足の減少など、業界を取り巻く環境は厳しさを増している。

こうした状況下において、新卒社員がホール業界に対して不安を抱くのは無理もないことだろう。特に、スマホの普及により、若者が手軽に楽しめる娯楽の選択肢が増えたことも、パチンコ離れを加速させている要因の一つといえる。

では、中小ホールは今後どのように生き残るべきなのか。その答えの一つとして挙げられるのが、「従業員満足度の向上」と「経営の多角化」である。

まず、従業員満足度を高めることが、採用・定着の鍵となる。今回のように内定者が辞退する事態を避けるためにも、企業側は新卒社員が安心して働ける環境を整備する必要がある。給与や福利厚生の充実はもちろんのこと、キャリアパスの明確化や働きやすい職場環境の整備も求められる。特に、パチンコ業界に対するイメージの向上が不可欠であり、単なる遊技業ではなく「エンターテインメント産業」としての魅力を伝えていく努力が求められる。

次に、経営の多角化も重要な戦略となる。近年、一部のホール企業では、飲食業やフィットネス事業、ホテル経営など、パチンコ事業以外の分野にも進出している例が見られる。

これは、業界の先行きが不透明な中で、新たな収益の柱を確保し、リスクを分散するための取り組みである。特に、地域に根差したサービス業への展開は、地元住民との関係性を強化し、結果的にホール経営にもプラスの影響を与える可能性がある。

さらに、顧客のニーズに即した営業戦略も必要不可欠である。従来の「出玉重視」の営業方針から、より多様な遊技スタイルを提案することが求められている。例えば、時間制の遊技や、カフェ併設のホールなど、従来のパチンコ店の枠を超えたサービス展開が今後の生き残りに寄与する可能性がある。

今回のケースは、一つの企業にとどまらず、業界全体が直面する課題の縮図とも言える。新卒採用における苦戦は、パチンコ業界の現状を如実に反映しており、今後の経営戦略を見直す契機となるだろう。中小ホールが生き残るためには、従来のビジネスモデルに固執するのではなく、柔軟な発想と新たな価値創造が求められている。


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