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ホール企業であった「災い転じて福となす」

あるホール企業が、イルミネーションが話題のスポットへホール会員から参加者を募ってバスツアーを敢行した。

バス1台、40人あまりが参加した。イルミネーションツアーなので子供の参加もOKにした。

ツアーには店長が引率者と参加して、日頃のご愛顧に感謝した。

人気スポットなので大勢の客で賑わっていた。イルミネーションツアーなので日は落ち、辺りは暗い。参加していた子供が迷子になってしまった。ひょっとして誘拐されたのではないか、と参加者たちは大騒ぎになった。

ま、結果的には無事見つかって事なきを得た。

この件の報告を受けたオーナーが烈火の如く店長を叱責した。

「お前は降格だ!」

引率した店長に責任があるとはいえ、子供が迷子になるのは不可抗力で、子供の親に責任がある。店長に責任を被せるのは無理があるというものだ。降格処分はあまりにも厳しいものがあった。

降格処分は決定する。

「こんなことで降格になったんじゃ、たまったもんじゃねえ」と店長は腹の虫がおさまらない。

ただ、会社を辞めようと思っていた時のタイミングだった。

「これはパワハラ以外の何ものでもない。会社を辞めます。その代わり、労基に駆け込みます」と啖呵を切った。

思わぬ反撃にビビったのが、オーナーだったことは言うまでもない。

ただし、労基はパワハラ問題で直接介入することはない。なぜなら、労基は企業の労働基準法違反を監督指導により是正する機関だからだ。パワハラについて従業員が労基へ駈け込んだ場合には、企業としてはその事実を重く受け止め、誠実に対応しなければならない。

しかし、子供が迷子になったことで店長を降格にしたということは、オーナーも店長のことをよく思っていなかったことが想像できる。気に入っている店長ならこんなことでは降格にならない。何か問題を起こした時は、辞めさせるタイミングを計っていたのかも知れない。

いずれにしても労基に訴えられたらまずいので、オーナーは和解条件としておカネで解決する方法を提案した。

このホール企業には退職金制度はなかったが、退職金を出すことで手打ちとなった。

また、会員を対象にしたバスツアーは数年に1回の割で開催されていたが、所轄の生安からは「利益供与に当たるのではないか」と目を付けられていた。そろそろ潮時だったので、これを機に止めることにした。

これ、考えようによっては三方一両得的なところで落ち着いた。

店長は会社を辞めたがっていたし、オーナーは店長を辞めさせたかった。バスツアーもそろそろ止めたかった。

結果的には、めでたし、めでたし、だ。


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