警視庁保安課がオンラインカジノで賭博行為をしたとして、東京消防庁石神井消防署の20~60代の男女10人を書類送検したのは、昨年11月のことだった。市民の安全を守る消防署の職員が、職場でオンラインカジノに熱中していたことは、いつでも、どこでもスマホから手軽にできるオンラインカジノの闇を照らすものだ。消防署という規律正しい職場にまで浸透していることは衝撃的であり、社会的な波紋を広げた。
かつてパチンコも手軽さがウリだった。日本全国に数多くの店舗が存在し、気軽に立ち寄れる娯楽の一つとして親しまれてきた。現在、遊技人口の減少の一因として、一攫千金を求めて、オンラインカジノへ流れていることは想像に難くない。
ただ、オンラインカジノは違法賭博であり、パチンコのライバルではないのだから、さほどの危機感を持たなくてもいいが、公営ギャンブルがオンラインになっていることの方が脅威だろう。
実店舗であるホールがネット投票に対抗するには、来店の必要性というハンディキャップを克服する必要がある。
オンラインと実店舗の戦いにおいて、ホールが生き残るためには、どうすればいいのか?
まずは、オンラインにはないリアルな体験を提供することが重要となる。店舗でしか味わえない興奮や雰囲気などを促進させることで、実店舗ならではの魅力を高めることができる。定期的なイベントやユーザー同士の交流会などを開催し、来店客に特別な体験を提供することが考えられる。
実店舗では特にホールスタッフの接客力を向上させ、顧客満足度を高めることも必要となってくる。スナックやキャバクラにわざわざ通うのは、お客に「また来たい」と思わせる接客と居心地のいい空間があるからだ。
オンラインの競争力対抗するためには、実店舗もデジタル化を推進する必要がある。モバイルアプリを活用して、顧客に対する情報提供やポイントサービスを行い、来店を促進する。顧客の利便性を向上させることも効果的である。
次のポイントは日報でもよく取り上げているが、店舗を地域のコミュニティ拠点として地域社会とのつながりを築くことだ。地域イベントへの参加や、地域貢献活動、地元住民に愛される店舗作りを目指すことが重要となる。
実店舗がオンラインに勝つためには、単純遊技の場としてではなく、特別な体験や価値を提供する場としての存在意義を高めることが重要である。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。