ユーザーはパソコンやスマホの画面上でハンドルを操作し、画面の向こうで実際に物理的な玉が飛び出した。
「ニコハン」のコンセプトは、シンプルながら魅力だった。「市場から撤去された、打ちたくても打てない過去の名機を、今の若い世代や初心者にも楽しんでもらいたい」というものだった。これには「もう一度あの頃の熱狂を体験したい!」という往年のファンのハートをキャッチさせようとした。
しかし、ここには一つ大きな問題があった。 それは出玉の交換ができないという点だ。現在、このサービスは無期限休止中になっている。
その後、オンラインで実機を操作する技術はさらに進化する。オンラインでクレーンゲームの実機を遠隔操作できるサービスも登場している。こちらは実際に獲得した景品が送られてくることで一定の人気を集めている。
そして現在、業界内では「オンラインで実店舗のパチンコ・スロットを打っているサービス」の構想が持ち上がっているとの噂がある。
この新たなオンラインパチンコ構想が実現すれば、ホール側には大きなメリットがあると期待されている。 特に、ホールの「空き台問題」を解消できるのではないかと言われている。もし、オンラインで打てるようになれば、物理的にホールに来ない客でも、スマホやPCからアクセスして実際の台を打てるようになる。空き台は減り、売上も上がる可能性がある。
客が選んだ空き台にカメラが付いた装置を従業員が椅子の上に置く。この辺は何ともアナログチックだ。
しかし、ここで問題となるのが風営法の壁だ。現在の風営法の下で、オンラインでの実機パチンコが合法なのか、誰も確信を持てない。ある業界関係者は「両手がない人が義手でハンドルを操作するのと、オンラインでスマホを使って操作するのは理論上同じことだ」と考えているが、今後法律がそう解釈するかは別問題だろう。
実店舗でのパチンコは、これまでの「ホールに行って台を選ぶ」という体験から、「スマホを使って、どこからでも好きな台を選ぶ」という体験は新鮮だ。出玉のデータや当たりの演出を家で寝ながら、体感できる。
ただし、パチンコというのは「その場の雰囲気」が大きな魅力の一つでもある。玉の弾ける音、隣の台の大当たりの歓声、ホール全体に広がる熱気…。もしかしたら、この雰囲気を6G時代にはVR技術を活用して、まるでホールにいるような臨場感あふれる体験ができる日も遠くないのかも知れない。
「2.5次元パチンコ」のような新しい試みがパチンコ業界に与えられた影響は計り知れない。オンライン化が進めば、ホールに足が向かない層を取り込むことができるかもしれない。オンライン化がパチンコの未来を切り開くのか? リーチ演出が始まった。この予測が当たるか外れるかは何年後かに分かる。

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