しかし、暴走族問題などで交通事故が増えたことから、1970年代後半から1980年代にかけて、全国の高校で高校生に対して「3ない運動」が展開された。「バイク免許を取らせない」、「買わせない」、「運転させない」のスローガンの下に、校則で高校生からバイクを引き離した。
その結果、バイクの国内販売台数は1980年に237万台を記録した後、年々減少し続け2015年は約37万台まで販売台数を落としている。
法律では16歳で二輪免許が取れるにも関わらず、3ない運動によって、校則に違反した生徒は退学や停学処分を喰らうことで、高校生の時からバイクへ乗る習慣が30年以上に亘って失くしてきた結果だ。
かつては高校生で二輪、社会人、大学生になったら自動車と段階を踏んだが、今は二輪をカットしていきなり自動車へ進んでいることを販売台数が物語っている。
二輪メーカーにとっては痛手だった3ない運動にもやがて終止符が打たれる時が来る。2012年に和歌山で開かれた高校PTA連ではバイクの「3ない運動」宣言をやめ、自転車、バイク、歩行者のマナーアップ運動の方へ方向転換した。禁止するよりも適正な指導を行う方がよいと判断された結果である。
これを契機に全国オートバイ協同組合連合会も巻き返しを図る。普通自動車免許があれば125cc以下のバイクが乗れるように法改正に向けて動き出している。
経済産業省の川野大志自動車課長は、ことし9月に神戸市で開催された「BIKE LOVE FORUM」で、二輪市場が活性化する規制緩和として、免許証問題に触れ「我々ももう少し行政の立場で知恵を絞りたいと思っていて、そう簡単ではないのかもしれないが、排気量125ccの免許取得を今までより簡単にするというような取り組みにチャレンジしてみた」と述べている。
普通自動車にくっ付いてくる原付の免許が、今後は125CC以下までが乗れる自動二輪の小型免許へ格上げしようという話だ。2段階右折や30キロ制限がないため、原付より格段に行動範囲が広くなり、バイクライフが楽しくなる。125ccクラスのスクーターが売れることが想像できる。
長々とバイクの話が続いたが、これを強引にパチンコの話に結び付けるとこうなる。
バイク市場は高校の3ない運動によって、高校生が入門バイクの原付にすら乗れなくなったために、市場が全盛期の1/7近くまで縮小してしまった。それを打開するために、二輪業界は全国オートバイ協同組合連合会が監督官庁に働きかけて、普通自動車免許があれば小型二輪までが乗れるように、規制緩和の方向で動いている。
市場活性化の規制緩和はパチンコ業界は望めそうもないが、今のパチンコにいえることは入門機がないことだ。
大多数の人は入門機には1パチがある、というだろう。しかし、1パチで入門したら、4パチに上がることはまずないのが現状だ。1円でも負けるのに、4円になると負けるスピードがさらにアップする。1万円なんかあっという間に消えてしまう。そんな恐ろしいことはできない。
バイクは原付からスタートして、中型、大型とステップアップしていくのに、パチンコは1パチからスタートしても4円には上がっていかない。逆に4円から1円へドロップアウトする方が多い。
つまり、今の業界には4円の入門機がないということになる。
二輪業界は原付から125ccの小型二輪を入門機にさせようとしているが、これは免許のハードルを下げることでもある。では、パチンコ業界がハードルを下げて4円から遊んでもらう環境にするには、おカネがかからない=玉単価の低い機械を作ることしかない。メーカーがせっかく玉単価の低い機械を開発してもホールが釘調整で、玉単価を上げようとするから客も反応しない。
もっとも玉単価の低い機械は鼻っからホールは買わないが。玉単価を上げなければ経営が成り立たないところに根本原因はあるのだが。
で、今回の結論は二輪業界のように監督官庁から規制緩和をしてもらえる業界にならなければいけないということだ。そのためにはギャンブル化した業界からの脱却からスタートしなければならない。

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