主なやり取りを抜粋するとこうなる。
問 ぱちんこ屋で景品を得た後、その景品を金銭に交換している現実を政府として把握しているか。
答 客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却することもあると承知している。
かつて、警察庁は換金行為を「存じあげない」としらを切っていたことを考えると、一歩前進した。
核心部分はここからだ。
問 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定されるぱちんこ屋は、刑法第二編第二十三章における罪の違法性を阻却する必要はないのか。
答 ぱちんこ屋については、客の射幸心をそそるおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。
換金が存在していることを認めたうえで、賭博罪には当たらないことを正式に認めたことになる。賭博罪には該当しないということは、3店方式も適法ということにもなる。
※第百八十五条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
政府の公式見解が出る前に収録されたものだが、これをなぞるかのように11月17日に放送されたテレビ東京の「それってタブーですか?」という番組で、パチンコの換金問題に踏み込んだ。
特殊景品を買い取る専門店のTUCを取り上げ、すぐに換金できるのは暗黙の換金システムではないか、という疑問を日遊協の庄司孝輝会長と警察庁の坂口正芳長官にぶつけている。
この中で日遊協の庄司会長は「提供した景品をお客さんがどうしようが、店はタッチしない。パチンコ営業者は買取に関与できない。店と交換所は資本的にも人的にも関係がない」と店と交換所の関係性を説明した。
また、警察庁の坂口長官は、テレビ東京記者の「換金は合法か違法か」というストレートな質問に対して次のように回答した。
「パチンコ営業者は営業の対応によって客の射幸心を著しくそそる恐れがあるので、風営適正化法に基づく必要な規制が行われている。風営適正化法で認められている範囲内の営業については、賭博罪に当たる行為を行っているという評価を受けることがない、と認識している。警察としては、違法なものは取り締まりを行っている」
ここでも風適法の範囲内で営業している場合は、賭博罪に当たらないとの見解を示している。グレーだった3店方式もシロということになる。ただし、書類上は3店方式でも交換所を親族にやらせているようなホールの摘発が本格的に始まるかも知れない。
3店方式がシロなら国内でホール企業の上場の道も開ける。その一方、換金税を取るという構想は換金を認めることになるので、流れたいきさつがあったが、これで政府も大手を振って換金税をかけることになるのかも知れない。
これまで曖昧だったパチンコの換金問題に一定の見解を示したのは、やはりカジノとの整合性を図る意味合いも含まれているのだろう。

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