アナログ役物機を得意としているメーカーの役員は日報の記事を読んで、「あれ以上に面白いアナログ台を作れと指示を出した」という。特に9月12日付の「アナログ機の可能性」の中で、書いていたこの一文が開発者魂に火を点けたようだ。
「21世紀のアナログとして、別穴があって一発飛び込みで、当たりを付けるのも夢があっていいと思う。3段の円盤と一発穴を組み合わせたら絶対面白い台が作れる」
この太字の部分が大いに刺激になったようだ。
「あれは完全に業界人の発想。どこかのメーカーで開発が進んでいていずれ発売するかも知れない」(メーカー役員)と深読みする。それだけに保通協試験は別として、もっと面白いアナログ役物機開発にGOサインが出たようだ。
このメーカーからアナログ役物機のヒット機が出れば、完全可視化のアナログ抽選へと流れが変わることも考えられる。
一方、役物メーカーはこれまでパチンコメーカーの下請けで役物を作っていたわけだが、逆に役物メーカーの矜持を持って独自に開発したアナログ抽選部分をメーカーに提案することだってできる。
アナログ役物抽選を考えていると、新たな発想も生まれて来る。その一つが裏パックの小型化だ。これを小型化することで奥行きがもっと広く使えると、さらに面白いアナログ役物抽選機を開発することができる。
かつて、携帯音楽プレイヤーといえば、ソニーのウォークマンの独断場だった。小さくすることが得意なソニーはカセット、CD、MD、メモリースティックとさらに小型化させていたが、アップルのipodの登場で完全にお株を奪われてしまった。
小型化に拘ったスティーブ・ジョブスは出来上がったipodの試作機を水槽に浸けとあぶくが出てきた。それを見て「空気が出てきた分まだ詰める余裕がある」とさらなる小型化に檄を飛ばした。
一概には比べられないがipodのハードディスクからフラッシュメモリへの小型化の歴史を見れば、パチンコの裏パックは大きすぎるように思われる。液晶が全盛となって盤面の奥行きを必要としないから、裏パックを小型化させる発想が生まれなかっただけのことと思われる。
奥行きが出ることで、玉が奥の方から前の方に出てくるような玉の動きを見せることもできる。奥行きがある分、ピンボール機能のようなものも付けることだってできる。
打ちだした後の玉を自分の手で操作できたらどんなに楽しいか。これこそがパチンコにおける技術介入である。

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