「濡れ手に泡」「一攫千金」——こんなうまい儲け話なんかあるわけない、と思いながらも、欲に目が眩むから詐欺に引っかかってしまう。
以下の表はつい最近のパチンコ攻略情報詐欺のサイト情報だ。検索したのは9月8日だが、リアルタイムで被害情報が刻々と上がってきていることが分かる。攻略方法なんてゴトでもしないと確実性はないが、未だに攻略情報詐欺が横行しているのは、人間の「楽して稼ぎたい」心理は永遠に不滅であることを証明している。

ここからはIT会社に就職したAさんの実体験に基づく話だ。
Aさんはウェブデザインができるので、都内の某IT会社に転職した。会社は10人ほどの規模で、2人がプログラマーで、ウェブデザイナーが2~3人。他は何をしている人かは分からなかった。この会社は表の仕事としては、企業のホームページ制作などを請け負っていた。
Aさんも入社当初は歯医者さんのホームページを制作していた。
3カ月の試用期間が過ぎると正社員になれるが、この時会社から「もっと儲かる仕事があるよ」とほのめかしてきた。Aさんは「あ~、ついに来たか」と内心思った。
Aさんの隣のデスクで仕事をしていた先輩は競馬予想のサイトを担当していた。その先輩から予想詐欺であることを打ち明けられていた。
手口は当たる情報を無料で出す、というのが謳い文句。出鱈目な予想でもたまに当たることがあるが、方法としては予測と結果を見せるわけだが、結果は後から入れ替えるという原始的な方法だった。
「サイトの制作費用はせいぜい10万円ぐらいです。それで1人から5万円の入会金を取って、10人集まればそれだけで50万円。サイト制作費を引いても40万円の儲けです。騙して稼げるサイトを作れば、会社からインセンティブが入る、と聞かされていました」(Aさん)
詐欺サイトだと問題になると、すぐに閉鎖して、再び新しいサイトを立ち上げる。それを今でも繰り返している。
つまり、Aさんの会社は裏家業として、詐欺サイトを制作している会社だった。裏家業というよりも、詐欺サイトの制作が本業だった。その中には2009年頃、一世風靡したパチンコの攻略詐欺サイトも含まれていた。
詐欺サイトは外部からの依頼で制作するだけだったが、ペニーオークションは自社で運営していたが、商品は一切用意せず詐欺行為を働いていた。
Aさんは半年余り働いたが正社員にはなることなく、体調不良を理由に退社する。
「パチンコにしても、競馬にしても少ない投資で今までの負けを取り返したいと思うから、詐欺に引っかかるわけです。騙す方も必死ですが、騙す方が上手ですね」(Aさん)
この会社、今でも都内にあり、常に求人募集を行っている。
普通の人なら詐欺の片棒は担ぎたくないから辞めて行くので、人の出入りが激しい。
パチンコの攻略情報なんてありっこない。相手は手を変え品を変え人間の欲望をくすぐってくるだけだ。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。