ジャグラーはたとえコイン単価が低くとも、3年満了するまで使える安定した機種として人気が高い。
一方のコイン単価が高い機種は、最初から長期稼働させる目的ではない。短期間で回収できると踏めば、導入する、といった機種だ。
コイン単価が高いということは、それだけユーザーも使うおカネがかかるということなので、当たれば見返りはでかいが、ユーザー自身が追っかけてこられない。
実際、スロットでめしを食べているスロプロは、コイン単価の高い機械は最初からターゲットにはしない。
「プロは荒い機械は狙いません。1万入れて設定が分かるか、3万入れて設定が分かるか、ということです。ところが、荒い機械はいくらおカネを入れても設定が分かりませんからね」(スロプロ)
4円パチンコの稼働が低迷するように、20円スロットの稼働も比例して下がっている中、20スロで新たな客層を呼び込む機種が登場しようとしている。
カテゴリーは「甘スロ」で、コイン単価は1円台、ジャグラー系よりもさらにコイン単価が低い。
「ジャグラーは1万5000稼働が3年間続くことが読めますが、それよりももっと甘い機械にしました。確率が高くて、甘い機械ですから、売り上げは上がりませんが、その分、お客様には喜ばれます。スロットでこのカテゴリーがありませんでした。お客様も5スロで勝つより、20スロで勝った方がうれしいに決まっています。この機械ならわざわざ5スロで使う必要もありません」(開発関係者)
そもそも、どうしてこんな甘い機械を開発したかというと、ホールが求める売り上げが上がる機械、差玉の出る機械を全メーカーが追い求めていった結果が、客離れにつながっているからだ。
例えば、コイン単価5円の機械なら、ユーザーも差玉は1万枚、20万円取れることを望む。
これがコイン単価が2円ぐらいならユーザーは3000枚=6万円も出れば満足する。
それよりもさらに低いコイン単価なので、ユーザーも大負けすることがない。
甘スロの特徴はベタピンでも、ホールがぼったくり出来ない設計になっている。
売り上げがあまり上がらない=ホールが嫌がることは、ユーザーが喜ぶことにもつながる。
ユーザーが嫌がることばかり続けているのだから、ユーザーが喜ぶ選択肢も必要だろう。

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