フィールズの代名詞ともいえるエヴァンゲリオンには誕生秘話があった。世間的にはマイナーだったエヴァに惚れ込んだ一般社員が「どうしてもエヴァのパチンコを作りたい」と山本英俊社長(当時)に直訴したことがきっかけだった。社員の着眼力と情熱とそれを受け入れたトップの判断がなければ、製品化されることもなかった。ただし、シリーズも続き過ぎると食傷気味になるきらいは否めない。
エヴァ誕生はトップダウンではなく、下からの意見を吸い上げる社風があったからこそ実現できたわけだが、この形をさらにシステム化している、という話を耳にした。
ここは、また会社へ突撃取材するしかない。
年末の仕事納めの日に大阪支店へ向かった。
9月からスタートさせたのが社内SNSの「Campus」だった。分かりやすく説明すれば、今、スマホのアプリで大人気の「LINE」の社内版を想像してもらえばいい。

Campusはフィールズ26支店の営業マン、事務員から役職者まで全社員参加型のSNSで、映像コンテンツ会社などグループ会社13社、約1800人が情報を共有している。
特徴は誰でも簡単にスレッドを立ち上げることができること。例えば、全国でおいしいラーメン情報を求む、という個人的なことから、年末のグランドオープン情報、月刊ヒーローズの編集長が新しい連載の企画やアイデアを募集しているスレッドなど多岐にわたり、毎日のように新しいスレッドが立ち上がっている。
その中で気になったのがエヴァの開発担当者が立てたスレッド。シリーズを追うごとに厳しくなっている現実を直視する共に、最新作のパチスロEVANGELIONは、「過去のよかった部分、悪かった部分、どちらでもない部分を分析して、原点回帰ではなく、進化させたもの」として、「『どこからでも』『いつでも勝負』できる機種になっている。閉店間際でも打つ理由は高いTSにある。ハマリ台でも打つ理由は浅く追いかけやすい天井…」などと開発担当本人の言葉で機種の特徴が、ダイレクトで全社員に伝わる。
それぞれのスレッドで活発な意見交換が行われている。書き込みは実名でもハンドルネームでも自由。ただし、個人を誹謗中傷するような内容は管理者によって削除される。
Campusは、組織の壁を越え、新入社員からトップまでがフラットに参加できるコミュニケーションを実現するための、一つのツールだ。フラットな環境で活発に意見を交換することでユニークな発想が生まれることを目指している。だからラーメン情報があってもおかしくないし、許される風土がある。
最終的な狙いは、現場の声を吸い上げ、ユーザーにもホールにも満足してもらえる機械を開発して、それを市場に提供することだ。
グループ社員の中にはパチンコ、スロットをやらない人もいる。そういう人たちが自らが打ちたくなる機械のアイデアを上げれば、とんでもない発想の機械が誕生する可能性だってある。
フィールズは総発の販売チャネルがどんどん増えていっている。販売機種も増えるが、その分、こけた時ホールからの反感も大きくなる。
Campus発の業界に貢献する機械が1日も早く登場して、ホールに内在するフィールズに対する不満を解消することが急務だ。
そして、フィールズが企画・開発した遊技機で遊技人口を増やしてもらいたい。

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