ホールはメーカーの機歴販売のように必要のないもので買わされる売り方が悪いといえば、メーカーはホールの機械の使い方が悪いという。
個人的には欲しくもない機械を付き合いで買ってしまうから、すぐに回収に走ってしまうのではないかと思う。この付き合いもチリも積もれば山となるで、年間で不要な機械代は千万単位にもなる。
加えて、新台効果が出ていないことも問題だ。
「新台をどんどん入れ替えた方が、稼働も売り上げも上がる」とばかり、メーカーの手先かと思うほど新台導入を勧めるコンサルもいることも確かだ。
確かに、稼働や売り上げは新台を入れた方が上がるだろうが、結果的には、手元にいくらのキャッシュが残ったかだ。
稼働も、売り上げも上がったが、結果が機械代の支払いで赤字では新台を入れた意味がない。
業界を俯瞰した場合、新台を導入することが、結果的には客離れを引き起こしているとすれば、これは異常なことだ。
この現状に勇気を持って立ち上がったホールが登場した。
栃木県宇都宮市の「ジャンボ宇都宮店」がそのホール。
2014年は営業スタイルを一新する一環として、「1月は新台入れ替えを一切行ないませ」とピーワールド上で宣言。その理由を「本来のパチンコ、スロットの楽しみ方に回帰するための決断」としている。
締めくくりのこの一文に店長の覚悟が現れている。
「どうしても新台が打ちたい方は、残念ですが当店へのご来店はご遠慮ください。現在のパチンコ店への不満がある方のご来店をお待ちしています」
新台以外のことを全力で行なう、ということだ。
なぜ、こんな覚悟に至ったのか?
それは、新台を買い続けて利益を確保することに疑問を持ち始めたからだった。
広告宣伝規制から1年半が経過する中、ダイコク電機のSISの稼働データは下がる一方だ。
イベントができなくなって、新台を買い続けることで全国の稼働データが下がり続けることは、異常である。それだけ、回収が早まっている結果でもあろう。
それなら、新台を買わずに、その分をお客さんに還元したほうが喜ばれる、と考えるのは当然のことだ。
正月は「アケ」営業に徹した。
1月の決意をメーカーの営業マンに伝えると、意外な反応が返ってきた。
「一個人としてそういう店に遊びに行きたいので、どんどんやってください」
さらに、ここからメーカーの営業マンの本音が垣間見える。
今までは、この機械を入れたら間違いない的な営業トークだったのに、「こんなペースで新台を出してもいいんですかね」と愚痴も出るようになった。
営業マンは機械を売ることが仕事だが、会社のやりかたには不満を持っていることが見えてくる。
以下は同ホールのホームページより。
いずれも店長がフォトショップを駆使して制作した傑作だ。






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