ムラの稼ぎ手である20~30代の人口は、2010年に比べて減る一方なのに、働くこともできず、医療費の嵩む75歳以上の世代ばかりが増える。
少ない働き手で多くの年寄りを支えようと思えば、税金を上げるしかないわけで、将来的には消費税も15%ぐらいまで引き上げなければならない。
経済学部の教授が10年後、20年後の日本の業界の将来予測を行っている。
「アメリカのように移民を受け入れて人口を維持することが日本ではできないので、医薬品や老人介護などの一部の業界を除き、ほとんどの産業の業績が落ち込む。少子高齢化の影響は大都会にも及び、都心のマンションの空き物件も出てくる」
人口が減るということは、全産業に影響を及ぼすことは、皆、頭の中では分かっている。しかし、その時にならなければ、実感が湧かないが、いち早くそれを体感しているのがパチンコ産業だろう。
4パチ、20スロを打てる人口がどんどん減っている。期待の沖海3の甘デジですら、稼働が芳しくない。それまでいた海の固定ファン層ですら減ってきている、という表れだろう。
「第3のビールで育った世代は、景気がよくなったからといってビールには移行しません。つまり、安いもので育った世代は、高いものは買わない、ということです」
これは、パチンコにもそのまま当て嵌まる。
1パチでパチンコを始めた人は、4円には移行できない、ということだ。4円の甘デジで4円ファンを固定化することも困難になってきている。
売り上げを上げるには、客数を増やすか、リピーターを増やすしかない。リピーター戦略で成功している代表例といえば、東京ディズニーランドだ。何度来ても飽きられないように、常に新しいアトラクションを導入している。
ハード面だけでなく、ディズニーランドには常に「感動」がある。
パチンコ業界も常に飽きられないように新台は導入しているが、実際にやっていることは「リピーターを減らす」ことばかりだ。
「今のパチンコは勝てる気がしない」というのがパチンコを止めていく人の共通理由だ。
現場の店長はお客さんの思いが、痛いほど分かっている。
これ以上釘を閉めたら、今いるお客さんが完全に飛んでしまうことを。
「うちの店は同じ台を同じお客さんが打つことが多いので、1000円スタートは当然把握しているので、閉めることができません。稼働のあるコーナーは固定客なので、稼働のあるコーナーからは利益が取れないんです」
このことをオーナーに説明しても、オーナーの指示は「取れるときに取れ」。
ちなみに、このホールは等価交換営業だ。
さらに店長はオーナーにこう進言した。
「スロットの稼働も落ちてきているので、スロットは6枚交換で、パチンコは30個交換にして、設定も入れ、スタートも回して遊ばせる営業をしたい」
これにもオーナーは首を縦には振らなかった。
「それで成功しているところはあるのか? 周りがやって成功してからでも遅くない。ダメだった時に責任は取れるのか?」
リピーターを減らすことばかりやっていることにオーナーはいつ気づくのか。

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