それは「パチンコには未来があることを分かって欲しい」ということだ。未来があるということはどういうことなのか?
「封入式は市場が要求しているものではない。枠が統一される話もあるが、それも業界側からそれほど必要とされているものではない。封入式が進まない理由の一つに、特許の問題が絡んでいる。封入式に関する特許を一つのメーカーが大半を抑えている。封入式になるとそのメーカーには黙っていても、作るだけで特許料が入ってくる」
エコパチについては、何やら意味深な言い回しだ。
ホール5団体の一部の人は、昨年6月にエコパチの試作機を見ているが、手作り感の高い、実機とはほど遠いものだった。エコパチになって基本的に変わる操作部などを見てもらうのが狙いで、日工組は秋口にも本格的なものをお披露目する予定になっていたが、実行されていない。
このメーカー関係者がいいたいことは、警察庁からはすっかり違法の烙印を押された釘調整問題に絡んで、パチンコメーカーは釘調整を必要としない機械の開発を進めている、ということだ。
「現在の釘は真鍮でできているので、ハンマーやペンチで曲げることができますが、ハンマーやペンチでは曲がらない、鋼鉄製の釘なども考えています。最初にメーカーの方で平均何回回るかの釘にして出荷します。交換率の対応はメーカー出荷時に行います」
釘調整できない素材といえば、プラスチックも考えられている。鋼鉄製の釘以上にこっちの方こそ釘は叩けなくなる。
「プラスチックの場合、釘ではないが、迷路の中を玉が誘導されていいくイメージの盤面も考えられています」
先般、北海道の大手ホールが釘交換の無承認変更に絡んで営業停止を受けたホールも出てきた。
実際にホール側からは釘調整を必要としない機械の開発について、非公式な相談も寄せられている。
国内でホールが上場するには、換金問題の他、釘調整の問題もクリアする必要がある。
さて、ここからが重要なことだ。
パチンコ業界の不思議産業なところは、売り上げが落ちても、粗利だけは現状維持ができる。これがパチンコ業界の魅力である反面、客離れを起こしている元凶でもある。
釘調整で粗利を自在にコントロールできたが、釘調整ができなくなるとそれもできなくなる。
ホールの常套手段といえば、スタート回数は上げても、TYを削って帳尻あわせをしていたが、そんな手法も使えなくなる。
「TY削りで粗利を出す時代は終わります。釘があるから生き残れてきた中小ホールは大変だと思います。釘調整ができなくなった時のことを考え、今から固定客をつける努力をすることです」
イベントは禁止されているが、接客などで固定客をつける企業努力を怠るところは、いよいよ生き残れない時代になってくる。業界の玉石混交解消に弾みがつく。
そういう意味で未来は明るい。

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