これ、ホール管理者が、いつ加害者の立場になるかも分からないので、臭いの問題は慎重に対応した方がいい。
仮にA君としよう。
A君の場合は、客から「臭い」とクレームが来るようになった。A君が玉箱の上げ下げをすると不快な体臭が漂ってくるのだ。
客から指摘されるまで店長は臭いと気づかなかった。
どれほど臭いのかと店長が鼻を30センチほど近づけたところ、確かに体臭がする。
それはワキガの臭さではなかった。
店長はA君に聞いた。
「風呂は毎日入っているのか?」
「冬場は2日に1回シャワーを浴びる程度で、毎日は入っていません」
「じゃ、毎日風呂へ入るようにしろ」
「分かりました」
ところが、それでも客からの苦情は止まらなかった。
「本当に毎日風呂へ入っているのか?」
「今は入っています」
「それでは彼女にも嫌われるだろう?」
「…」
「体臭は食べ物の影響も大きい。A君は何が好きだい?」
「肉が大好きで毎日食べています」
「それが、原因じゃないかな。肉食は体臭に影響があることを聞いたことがある。肉を食べるのを控えた方がいいぞ」
体臭は自分では気づかない。強烈なワキガも自分では気づかない。
ワキガは手術で治すことができるが、A君のような体からにじみ出てくるような体臭は治すことができるのだろうか?
それ以来、A君は客前に出るのが、すっかり怖くなってきた。悩んだ末、店を辞めることになる。
臭いの元が辞めてくれて店長も内心ホッとしていた。
ところが、数カ月後思わぬ事態に発展することになる。
A君は体臭のことを指摘され、精神的苦痛を受けた、とパワハラで訴えてきたのだ。
最近の弁護士は仕事がないため、着手金欲しさからか、すぐに裁判を仕掛けたがるようだ。
今回はA君が勝てる、と弁護士も踏んだのだろう。
裁判すれば、お互いに時間を取られるだけで、今回のようなケースでは争そってもあまり得策ではない。
結局は「和解」ということで決着した。
和解金をいくら支払ったかは教えてもらえなかった。
身内が体臭を指摘してもこのように大問題に発展するケースもある。
臭いはデリケートな問題なので、客に対して店から注意するのはもっと大変なことになることが想像できる。
最近導入が進むホールのフレグランスの中には、どうしてこんな嫌な匂いを選択したのか、と思うものもある。
いい匂いでも万人がいい匂いと感じることはない。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。