今のハネモノは形こそハネモノだがラウンド抽選が搭載され、セブン機との混合機的な性格を持っているのが現在のハネモノである。
チューリップ機から電役モノへと移行する中で、平和のゼロタイガーは誕生した。初号機はそれこそVに入賞すれば、打ち止めまでハネが開き続ける傑作機だったが、カウント規制がかかるまでにそう時間はかからなかった。
初めてゼロタイガーを打った人は、あのV入賞のハラハラドキドキ感の虜になったものだ。
10台あった西陣のレッドライオンコーナーを前任者から受け継ぎ、それまでの倍の5万稼働に引き上げたことがある業界関係者は、昨今のハネモノブームについて経験談から次のように語る。
「ハネモノを等価営業で使うこと自体が間違った使い方」と交換率のところから待ったがかかった。
さらに、現在の無定量営業もハネモノには向いていない、という。
「初心者を取り込むためのものがハネモノとすれば、まず、ハネモノは定量制で使うべきです。初心者には特に達成感や目標が必要なので、3000個とか5000個終了にすべきです。終了させた、という達成感がいいんです。逆に無定量ではどうしても釘が渋くなる上に、等価ではますます釘が閉まる。本来のハネモノの面白さが演出できません。そもそもハネモノをセブン機感覚で調整するから失敗する」
定量制にすることで、ホールが嫌がるプロ対策にもなると思えるが、この関係者の意見は少し違う。
「昔はそれこそ、磁石やドツキとの戦いの中でハネモノを使ってきたものです。当時に比べ、今の機械には磁石センサーやドツキセンサーまで搭載され、昔より随分楽になっています。プロが来るのなら来てもいい。長時間時間をかけて出す分には、玉が出ているように見えて逆にいいものです。出玉がお客さんを呼びますから。定量制にすれば、プロに抜かれっぱなしになることもありません。お客さんは管理するものではなく、育てるものです」と持論を展開する。
では、どうやって5万稼働にもって行ったのか?
「機種ごとの割数を自分で打って決めていました。レッドライオンなら13.7割がベストでした。1分間に何回鳴かせて、何個玉を拾えば、お客さんが納得するかを機種ごとに研究しました。鳴きの回数とお客さんが納得する出玉を自分で導き出しました。そのためにはスランプのない釘も自分で研究したものです」
そして、ハネモノを導入するには何よりも覚悟が必要になる、という。
リバイバルしたビッグシューターがコケた理由は「店長がハネモノの面白さも知らなければ、店長がハネモノを研究しなかったからだ」と指摘する。
ハネモノを導入するからにはハネモノを研究する覚悟も必要だし、プロに打たれても動じない覚悟が必要のようだ。
そのためにはまずもって定量制を導入すること。完全等価の店はハネモノは本来の面白さを伝えることは難しい。

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