大阪・西区の松島新地といえば、飛田新地ほどの全国的な知名度は低いが、昔の遊郭が料理店の形態で今でも売春が公然と行われている地帯である。
この松島新地で営業する料理店「美人座」の経営者らが売春防止法違反の容疑で逮捕されたのは、1月14日のことだった。
警察はこういう店舗で売春が常態的に行われているのを当然知っている。普段は黙認されているにも関わらず、逮捕に至ったのは、美人座で働く従業員が闇金に手を出して、その返済に美人座を紹介されたことを警察に相談したためだった。闇金の借金返済のために体を売っていた、となると警察も逮捕せざるを得ない状況に陥った。
昨年2月には京都の麻雀店さん京都店が、賭け麻雀の場所代を受け取ったとして賭博開帳図利の疑いで店長や客らが逮捕された。
このケースでは、賭けのレートが書かれたポケットティッシュを路上で配布するなどしており、摘発に踏み切った。
法律では禁止されている売春や賭博もある一線を越えなければ、警察のお目こぼしで営業している。
松島新地の件は別の事情が逮捕に踏み切りざるを得なかったが、麻雀店業界の場合は、さん京都店の逮捕劇が業界に大きな影を落としている。
多くの麻雀店が採用する営業スタイルや全自動卓までが違法性を指摘されたからだ。
掛け金の割合をレート表示する店が少なくない。さらに進化した全自動卓は、レートの設定や店に支払う遊技料の計算までできる「点数精算機能」まで付いている。
この機能が賭博開張図利ほう助容疑に当たるとして、全自動麻雀卓を販売した会社の社長が逮捕されたほか、メーカーの社長も事情聴取を受けている。
麻雀店の組合は、レート表示の自粛を要請。店側は全自動卓の点数精算機能を使えなくしたり黒テープで隠したりしている。
麻雀は頭の体操になるとして全国健康福祉祭の公式種目にもなっている。組合の会長は「事件を教訓に健全娯楽産業として社会貢献したい」と話している。
パチンコ業界はこれを対岸の火事とするのではなく、自分たちに置き換えて考えなければならない。
広告・宣伝規制が比較的緩い地域ともなると名もなきライターや何とかガールを招いているチラシをよく見かける。
取り締まりが緩くなるとついつい車のスピードが上がるように、集客のためのチラシの内容がどんどんエスカレートしていくことが懸念される。

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