パチンコ日報

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同族経営の限界

地方のホールの疲弊ぶりが伝わってきた。



場所は西日本のとある町。



店舗は3店舗。かつては儲かっていた時期もある。それで、親戚を呼んで店舗を増やしていった。



全体的にパチンコ業界の業績が落ち込む中で、人口そのものが少ない地方の郡部は、魚のいない釣堀で糸を垂らしているようなものだ。



経費削減、リストラはやれるだけやった。



最後の人件費は親族一堂なので、これ以上切れないところまで行った。オーナーは廃業も考えているがそれでは親族が路頭に迷う。



そこで考えたのが店舗を貸し出すことだった。



家賃は破格の50万円。



客のいない町の様子が目に浮かんでくる。



「せめて儲かっている店が1店舗でもあれば、何とかやっていけるのだが、3店舗ともダメでは…」とオーナーはため息をつく。



スロットの人気が高まっているが、スロットを増台する体力もなく、二進も三進も行かなくなっているのが現状だ。



それでもやっているのは、今までの蓄えを切り崩しているからだ。それが底をつけばお手上げだ。



「親戚で周りを固めたため、人材も育たなかった。私同様、皆考え方が旧態依然としているので、打つ手がない。それなら店を賃貸に出した方がよっぽど楽になる。経営者が代わった、となれば親戚の給料ももっと下げられる」



かつては儲かっていた時代があったから3店舗も増やせたわけだが、客がいなくなった地域で、「昔はよかったのにな」と懐かしんでも状況は打開できない。



業績が悪化した原因をオーナーは人材を育ててこなかったからだ、と反省している。親戚で固めたことの弊害がボディーブローのように効いてきた。



ホール経営が魅力的に映れば、オーナーの息子がホールを継ぐのだろうが、長男は公務員になってしまった。



今年の夏は西日本も電力不足が問題になってきた。



「田舎では家にエアコンがないお年寄りも大勢いる。そういう人たちが夏は涼みに来るのだが、節電と経費削減のために温度を上げたら、涼みに来るお客さんも来なくなる」と頭を抱える。



人材を育てるという意味の重さを感じさせる。



機械で人を呼べる時代は遠の昔に終っている。



ホール経営に意欲を失っている経営者が多いが、それは昔のように簡単に儲からなくなったからに他ならない。



「この業界は弱味を見せたらつけ込まれる。同業はもちろん、それは店長や社員にも見せられない」(ホールオーナー)というが、それが傷口を大きくしている。





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