システムの概要だけで、機械の中身についてはまだ明らかにされていないが、5月11日のホール5団体の説明会で配布された資料を基に、ホールの声も漏れ伝わるようになった。
まずは、コストの問題から。
あるホールオーナーはこう打ち明ける。
「同胞のホールを買い取る計画を進めていたが、すべて白紙に戻した。封入式に変えることで莫大なコストがかかる。ユニットも新たに必要になる上に、通信費も相当かかりそうだ。この厳しい時代に投資に見合うだけの採算が取れるのかまったく見えない。あえてそんなリスクを冒すことはする必要もない。自分の店だけでも大変になってくる」
初期投資はユニットも含め当初は、100万円という数字も一人歩きしていたが現在はその半額ほどともいわれている。
次は稼働面での不安だ。
ことしのGWに大阪府下に新規オープンしたホール。1階がパチンコで2階がスロットというフロア構成。パチンコは4円のみでスタートした。この時期に4円のみというのは厳しい船出が予想されたが、いざ蓋を開けてみると予想通りの結果に。パチンコの稼働は土曜日でも2割を切る。
このホールは各台計数機を導入していないが、1円も4円も全台各台計数機を導入してグランドオープンしたホールオーナーはこう語る。
「4円の稼働が落ちるとどうしても出玉演出が必要になると考えた。3月にオープンして5月に一旦休業して、4円は各台計数機を外した。交換率も33個から等価にして息を吹き返した経験がある。各台計数機なら付けたり外したりはできるが、封入式はそれが一切できない。4円の稼働が落ちて出玉演出ができないので各台計数機を外すところもあるのに、封入式は怖くて入れたくない」
警察庁主導のプリペイドカード導入を巡っては、全遊協(当時)が賛成派と反対派に真っ二つに別れ、分裂・解散した歴史があるが、ECOパチはそれをはるかに上回る問題を孕んでいる。
「プリペイドの時と同じ轍だけは踏めない。CRの功罪も問題を一杯含んでいる。ファジーな換金問題がECOパチ導入によって明確になるかどうかまで、そこまで踏み込んだ話はまだ出ていないが、ホール側に何らかのメリットが導入は進まない。初期投資はかかるが、ランニングコストが下がらなければ、意味もない。大手資本だけしか生き残れないようになることだけは避けなければならない」(ECOパチ開発・ホール側メンバー)
遊技機価格を下げることについては一部メーカーからは反発はある。高く売れるものをわざわざ下げたくない、という本音だ。
「機械代が安くなれば面白くない機械ばかりになる」(メーカー営業マン)と危惧する。
それより何より、封入式後はホール経営者は、雇われマダムになってしまうのではなかろうか。

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