消費者庁が景品表示法違反に相当する、と認定したソーシャルゲームのコンプガチャだが、コンプリートさせるのに数10万円も使うケースがあることから、射幸性の高さが問題視されていた。
射幸性の高さがあるゆえに、売り上げが上がるのはパチンコとそっくりだが、射幸性を追求する業者は、コンプガチャに代わる新たな課金システムを編み出す業者も出てきているようだ。
規制をかければ新たな道を探る。いたちごっこが続く、というところまでパチンコ業界に似ている。
業界のいたちごっこに激怒しているのが警察庁生活安全局保安課の玉川達也課長補佐だ。5月22日に開催された余暇進の社員総会で玉川課長補佐の講話内容の全文がビジョンサーチに掲載されている。
就任して1年あまりだが、ここまで踏み込んだ内容は異例でもある。
いきなり触れたのが広告宣伝規制の問題だった。
特定の機種を取材するライター等の来店イベントや、「この遊技機はスタッフが特に愛情を込めて掃除しました。」というような珍妙なもののほか、「混雑予想日」あるいは「リニューアルオープン(新装開店)から●日目」などという表現で従来の出玉イベントを告知してみたり、また、総付景品等の配布に殊更脱法的な意味を持たせるようにしてみたりするものがあるところです。法律の規制をくぐり抜けるためにこうした表現方法を駆使することを創意工夫と表現する営業者等もいるようですが、その感覚は、社会一般の感覚と離れており、そのような声を見聞きするにつけ、残念ながら、今もって業界の健全化が道半ばにあると感じております。
規制されれば新たな方法を考えることは、創意工夫ではないと断じている。広告宣伝の適正化については、警察庁のいうことが聞けないのなら、さらに厳しい内容になることを示唆している。
そのうち、ライターイベント以外に、イベントガールや芸能人にまで規制がかかれば大打撃を受ける会社も出てくる。
ライターイベントを完全禁止にしている県もあれば、未だに続けている県もある。要は指導に地域の温度差があるためだ。同じ県でも所轄によって判断が分かれる。
以前、一発機の撤去を巡って県警で撤去期限の判断が分かれた時があった。とっくに撤去になった隣の県ではまだ一発機がバリバリ稼働していた。
なぜ、地域によって温度差があるのか警察庁に問い合わせたところ、「地域によって事情が違うので一律にはいかない」との回答だった。一律に規制がかかれば一番厳しい基準に合わせられるので業界としては得策ではない。
そのためにも業界の自助努力を求めているが、一向に改善できない理由を私見と断った上で4つの業界慣習を挙げている。
1 違法な営業形態でも、たまたま摘発されなかったことをもって「既得権」と考える慣習
2 それが法に抵触しかねないものであれ、「他のぱちんこ店と同じことをしないと損をするかもしれない」と考える慣習
3 法律で禁止されていても、牽強付会の解釈により、本来存在しないグレーゾーンを追求しようとする慣習
4 営業の基本となる法律や通達をきちんと確認しない慣習
一部にこうした考えが蔓延っているため、射幸性を追求する営業がなくならない、と指摘する。
その一方でホールで提供する賞品は、いかなる賞品も等価交換することを求めている。
射幸性を煽るなといいながら、射幸心を煽る特殊景品の等価交換を推奨するのは如何なものか。
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警察庁玉川課長補佐講話を業界はどう受け止めたのか
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