では、どれぐらい無駄かというと時給1200円のアルバイトが1日1時間、1回頭取りに行ったとして、月に3万6000円、1日2回なら7万2000円、1日3回なら10万8000円という金額が消えている。
勝った、負けただけでそのデータを活かすでもなく、対策を立てないのなら即刻止めたほうがいい。
という話ではなく、せっかく経費をかけて取っているデータはもっと有効に活用しよう、という話だ。
「集客→参客→接客→増客のサイクルの中で、商圏の機種構成と支持率を知るためにも頭取りは必要。商圏分析なしには戦略も立てられない。頭取りデータと競合店調査を通して具体的な対策を立てることが必要」と語るのは競合店対策システムHAWKを開発したエイチエス企画の出口修代表。
このシステムの中で肝になるのが、自店と競合店の差を分析するソフトだ。
大分類10項目、小分類80項目を一般社員と役職者がチェックポイントを評価することで、自店と競合店の強味と弱味が数値的に見えてくる。
ここでのポイントは役職者と一般社員がチェックすることだ。例えばあいさつの項目で、役職者はできている、と評価しているのに、一般社員ができていない、と評価しているのは組織そのものに意思の疎通が図られていない。不振店に陥る危険性がある状態であることが見えてくる。
この評価のギャップを埋めていくことが社員の不満を解消して、教育効果を上げていく第一歩で、役職者も一般社員もどの質問項目に高い評価を出しているホールが優良店になっていく。
全国チェーンの標準データと自店の比較もできるので、地域での比較だけでなく全国レベルでの比較もできる。
自店の弱点が釘なのか、データ分析なのか、接客なのか、それに応じて専門のアドバイザーが弱点を強化して強い店作りをサポートしていく。
「イベントが禁止になってホールは集客の部分で悩んでいます。かつて『5000円以上持ってこないで下さい』というコピーのチラシを3日間打ったことがあります。それまで8人しかいないような店が平均で120人入るようになりました。1日遊べる店であることを謳ったわけですが、負けを小さくするためにベースも上げていました」(出口代表)
同社ではこうしたイベントに頼らない集客ノウハウを蓄積しており、一度来店すると接客により、ファンを固定化させるノウハウがある。
「灰皿の置き方一つとっても、お客様に『ありがとう』といってもらえる接客方法があります。ありがとうを何度もいってもらえるお客様は必ずリピーターになります」(同)
玉利を下げて稼働を上げることが理想の店作りだが、それが頭では分かっていても実行できないのが現状でもある。
このシステムを使えば、理想の店作りに一歩近づけるかも。
システム使用料は月額1万5000円。契約は半年単位。

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