パチンコ日報

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カジノ法案通過とパチンコ換金合法化・・・その①

(この物語はフィクションです。小説ではありません)



欧州の高級自動車メーカーの日本法人に勤務していた佐藤香44歳。



名前は女性のようだが日本男児である。母親が女の子を欲しがっていて、生まれる前に考えた名前が「香」だった。これ以外は考えていなかった。



佐藤は1990年頃、欧州の高級自動車メーカー「アレキサンドル自動車」の日本法人「アレキサンドル・ジャパン」で新車の営業をしていた。



顧客は「会社役員」「政治家」「芸能人」「医師」「弁護士」などが9割を占めていた。「上得意客」が多かった。



こういう営業マンには、生命保険会社などからのスカウトの声が掛かることが多い。



理由は簡単だ。

顧客が上得意=金持ちだから。



佐藤にも米国系生命保険会社から転職の話が入った。むろん、直接生命保険会社から連絡が入る訳ではない。



引き抜きの場合、ある日突然、ヘッドハンティングの会社から連絡が入るのが普通のようだ。



条件は1年目は年収700万円を保証。2年目以降は完全歩合制だと言う。



年収は2000万円~1億円は可能だと説明を受けるが、興味は湧かなかった。



佐藤は車の営業をしていた関係で、様々なジャンルの人脈ができあがっていった。



佐藤自身が販売した顧客以外に引継顧客を合わせれば、上得意客は約600人に膨れ上がった。



顧客の紹介でも人脈は広がった。



亡くなられた飯島アイコ(仮名)さんもその一人だった。



AV女優から一流タレントにまで上り詰めた彼女は、過去の経歴からは想像できないほどの常識人だった。



佐藤の人脈は限りなく広がっていったが、逆にその広がりが段々と面倒になっていた。



天邪鬼な性格の佐藤はどういう訳かわからないが、東北の大手ホール企業へ転職してしまった。



そのホール企業は急成長を遂げていて、人材不足に陥る寸前だった。

当時は20店舗でホール企業では知られた存在であった。現在は40店舗にまで拡大している。



もともとパチンコ好きの佐藤は、ホール業務には抵抗がなかった。



幹部社員育成枠で採用され、入社1年未満で店長職に就いた。



こんな経歴の佐藤はある日、年収1000万円以上の生活を捨て、業界から去ってしまった。



好き勝手な生活に憧れ、海外放浪をして見たいと思った。



数年前に佐藤のもとに、ある政党の関係者から連絡が入り、意見を求められた。



資料の表題には「ぱちんこ換金合法化(仮称)草案」と書かれていた。



これは将来、換金合法化の議論が必要になった時の研究材料だと言う。



佐藤の予測ではパチンコ業界から支援されている議員か業界関係者が、資料を作成して、将来の業界のあり方をシミレーションする材料か、献金を受けている議員が、関係先へのサービスで制作したものか、と思った。



佐藤がこの資料を見たのは、水原都知事がお台場カジノ計画をぶちあげた時だった。



日本では認められていないカジノを合法化した場合、換金が極めてグレーなパチンコ業界の現状を鑑みて、カジノ法案成立ならパチンコ換金問題解決へ向けての動きとする業界ウォッチャーもいたが、その視点からこの資料が作成された可能性は高かった。



景気が悪くなり税収は減るばかりだ。地方の雇用は減り、地方自治体の権限委譲が叫ばれる現状を考えれば、カジノ法案成立まで一気に盛り上がる可能性はある。



その下準備を関係者がするのはおかしくない。そんな経緯からパチンコ換金合法化草案が作成されたのだろう。



これと同じような草案が、他にもあるのは想像できる。



いずれにしても、パチンコ業界の将来は、グレーゾーンの解決で決まる。



パチンコ業界といってもどこまでが、パチンコ業界なのだろうか?



ある業界関係者によると、換金が合法化されては、困る団体(会社などを含む)もある、という。



このまま永久にグレーゾーンを望んでいる人たちも存在している。



つづく



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