土日だけ営業している羽モノ専門店「えびす会館」がある、というではないか。これは実際に行って確かめなければいけない。
場所は大阪・元町の雑居ビルの7階。
秘密のアジトめいた場所だが、ドアには手書きのかわいい文字で営業中の札がかかっている。
中に入るとレトロなパチンコ台がずらりと並ぶ。7~8人の客が遊んでいる。

パチンコ友の会、という形式で運営されていて、換金や景品は一切なし。
1500円の入場料を払うと1日遊べる。
フリードリンクが用意されており、これはカウンターで飲むことが義務付けられている。
パチンコ台は全部で21台。
いずれも20年前の古い機械なので、台を叩いたり、ゆすったりすることは厳禁。ハンドル固定も故障の原因になるのでこれまた厳禁。
ここで一番古い82年製の三洋のグラマンを打つ。

昔ながらの4000個終了。
軍艦マーチが流れ、マイク放送もしてくれる。たちまち昭和の時代にタイムスリップできる。
店内のあちこちで歓声が上がる。
ミサイルのクルーンに一発で入ったり、タヌ吉の攻略ができての喜びの声。
1時間半かけてグラマンを終了させる。

「一番パチンコに夢中になった時代のパチンコを忘れて欲しくなかった。玉の出る昔の空間を作りたかった」
これがえびす会館を始めた動機で、9月から土日のみの営業を始めている。
島をはじめ、補給もすべてゆきちさんの手作り。
補給は半自動で人力で玉を上げる。
「リフトをつけたらとても1500円では運営できない。雨の日は0の日もあります」
お客さんは口コミとブログでえびす会館を訪れている。
熱狂的なレトロパチンコファンともなると東北や東京からもわざわざ足を運ぶようだ。
「パチプロで食っていた時期もあった。それは一般のファンが遊んでくれたからパチプロが食えた。そのときにお礼になれば始めた甲斐がある」
レトロ台は友の会会員から提供されたものも少なくない。
新しいレトロ台が入ると、新台入れ替えが行われる。
昭和のパチンコをこよなく愛した人には感涙もの。
朝10時から夕方6時まで昭和のよき時代のパチンコを体感できる。
温故知新。
経営者こそが行ってみるべきだろう。
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