(これはフィクションです。作り話なので楽しむだけにして下さい。これって小説でもありません)
佐藤の元へ連絡を入れてきた人物は、かつての顧客であった政治家の私設秘書だった。
異業種からパチンコ業界へ転職した佐藤のバランス感覚の良さを見越しての連絡だった。
カジノ法案とパチンコ換金合法化がセットで通過する、と考えている人もいるようだが、果たしてそうだろうか?
最初に書いてしまうと、換金が合法化がされた時の姿は、現在と100%変わらない可能性が高いということでもある。
グレーゾーンと言われている「色」をグレーから白に変えるだけの法案通過も可能性は残ると言うことだ。
あるマスコミがホール組合「第百遊技場組合」(仮称)へ取材した時の回答はこうだった。
「3店方式によるグレーなシステムを解消するために、将来パチンコの換金合法化の噂も出ていますが、どう思われますか」との質問に対して、
「まだ法律改正案も見たことがありませんので、お答え出来る立場にありません」(第百遊技場組合広報)
そう。
この関係の話は公式には、まだ存在していないのだ。
しかし、有識者や関係者の間では研究されているため、仮想の草案が存在している。
草案のストーリーは幾つかのケースに分かれている。
中でも興味深いのは、完全に換金を合法とした場合、特殊景品の流通のあり方だ。
佐藤が意見を求められた時に、一番可能性があると感じたのが、「流通は現行のままで、3店方式の見解をグレーから白にする」だけ。
つまり、流通形態をそのままにするだけ。
ただこれにも懐古的な思いも残る。
カジノ法案通過の際、パチンコ換金法案がスルーされる可能性も残ると言うことだ。
ここでパチンコ業界内情に不慣れな読者に3店方式を簡単に説明するとこうなる。
パチンコの換金は認められていない。
最高金額1万円までの景品交換が認められているだけだ。
そのために「特殊景品」と呼ばれる3店方式を前提とした景品の存在がある。
ホール(遊技場)と特殊景品問屋と特殊景品買取所(通称・両替所or交換所)の三者に特殊景品を流通させることを3店方式と呼んでいる。
ホールで直接換金ができないため、この方式を取り入れ既成事実化されてきた。
余談だが、今から20年前、佐藤が日本で誰もが知る温泉地のホールで遊技した時のことだ。ホール内の景品カウンターで「両替」と言うと、直接現金を渡されたことがあり、度肝を抜かれた。
ペガサス412がまだ健在の頃である。
これは極端な例だが、過疎地では問屋の存在が紙だけで、実質2店方式の場所もまだ存在するようだ。
これだけ複雑な問題が絡み合うパチンコの換金問題なのだが、これから数十年先まで、このままで良いのか悪いのか?
パチンコ業界内の見解・本音はどうなのだろうか?
この会合で佐藤に投げかけられた質問の中に、特殊景品交換所は必要かどうかと言う問題があった。
私設秘書がこんな質問を投げかけてきた。
「佐藤さん、両替所って無くしたらどうなりますか?」
つづく
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