パチンコ依存症ではないが、パチンコは止められない、という。
「パチンコする時はいつも理由を作っている。パチンコをすることで会社で嫌なことがあった時のストレス発散とか。運が悪い時にパチンコをするとさらに負けて落ち込むが、これ以上落ちることはない。厄落としになった、と自分を納得させている。パチンコは自分に言い訳しながらやっているよ」(Aさん)
イギリスの登山家のジョージ・マロリーは、ニューヨーク・タイムスのインタビューで、「なぜ、エベレストに登るのか」という質問に対して「そこに山があるから」と答えた。
Aさんもなぜ、パチンコを打つのかと聞かれると「そこにパチンコ屋があるから」と答える。
Aさんは職業柄、転勤は付きものだ。どこへ転勤しようともスーパーの近くには必ずパチンコ店はあった。
「近くにパチンコ屋がなければいかない。わざわざ遠くまで行ってまでは打たないが、どこへ転勤しても目の前には必ずパチンコ屋があったね」
実際、大型スーパーがある場所にパチンコ店がない方がおかしい。
Aさんは転勤のたびに、自分の肌に合うパチンコ店を選ぶわけだが、その時のポイントがこうだ。
「込み過ぎている店はダメ。今は分煙ボードが付いている店が必要最低限の付帯設備。副流煙で肺がんにはなりたくないからね」
客が多い店は出玉感があるケースが少なくないが、出玉より居心地の良さを優先して、Aさんのように人が多いのを嫌う人がいることも事実だ。
Aさんは衣料品部門の担当だ。
「下着は見えない部分なので、ボロボロまで履けば済むのに、新しいものを買う。ナゼか? 新しいものを買うと気持ちがうれしくなる。つまり人は気持ちで動く。私の場合、マリンちゃんのLED看板を見ると無性に行きたくなる。マリンちゃんの水着は心が和むんだ」
スーパー内には社食が完備されているので、昼飯は300円ほどで食べられる、という。Aさんが小遣いの範囲で今でもパチンコを続けられるのは、一般的なサラリーマンは昼食代やたばこ代で小遣いが消えるのに、タバコも吸わず、昼食代もさほどかからない環境にあるから、といえる。

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