全国大手ぐらいの設置台数があれば、当然、大手価格というものがある。大量に買ってくれるのだから、当然値引きが発生するのは商習慣としては当たり前のことだ。
大手と中小では機械コストがスタート時点で差がついている。それなら中堅ホールが連合を組めば、ある程度台数がまとまるので値引きも期待できる、というものだったが、メーカーから「資本提携もない。同じグループとはいえない」とあっさりと蹴られたようだ。
今後、中小ホールが選択する道はこのまま営業を続けるか、業績悪化から廃業するか、店舗を売却するか、M&Aで社員もひっくるめて会社を売却するかの4択となる。
ダイナムがチェーン39店舗の夢屋を株式交換による完全子会社化を図ったのが昨年8月のことだった。この時点でダイナムは438店舗となり、店舗数では全国トップの地位を盤石なものにした。マスのメリットを享受したチェーンストア経営をさらに推し進めて行った。
夢屋がダイナムの子会社になってのメリットは、何といっても1台当たりの建築コストだろう。一般的には台当たり200万円前後かかるといわれているが、建築がダイナム方式になることで、60~80万円前後まで引き下げることができる。機械代もダイナム価格が適用されるために、損益分岐点が大幅に下がる。
その結果、財務内容がかなり良くなっているようだ。1円だけでも営業が成り立つようにするには、スタート時点をいかに低コストでやるかにかかっている。
トヨタだって軽自動車メーカーのダイハツをことし8月に完全子会社化した。世界的に需要の拡大が見込まれる小型車の開発・生産を一元化し、激化する競争を勝ち抜くためでもあったが、今度はダイハツのライバル会社であるスズキとお見合いを始めた。お見合い話はスズキの方から持ち掛けたようだが、スズキの経営規模では次世代の開発技術である自動運転の投資は重たい負担となる。こうした分野では他社の技術協力がなければ、生き残れない状態にある。
パチンコ業界もしかり。
このまま遊技人口が増えないのであれば、店舗数が淘汰されるだけだ。中小が生き残るためにはコスト削減にもつながる本来の事業協同組合が必要になってくる。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。