50代半ばのAさんは、韓国籍の在日3世。親せきが経営しているホールで総務の仕事をやっている。就職先がなかったために、親せきのホールに世話になって30年以上が経つ。現在はもう一つ仕事を持っていて掛け持ちでやっているが、メインはホールの仕事である。
「私が業界に入ったころは、在日では就職が難しかったのでお世話になる事になったのですが、まともな人間が働く場所ではなかった。訳アリの人たちの吹き溜まりで、学歴も関係なかった。それが大手が大卒新卒を採用するようになって随分イメージが変わった」と振り返る。
30年以上前といえば、パンチパーマの従業員がくわえタバコで表周りしている姿も珍しくなかった。そんなパチンコ業界に大卒が入るようになったのは、30兆円産業と持て囃され、メーカーは上場し、大手ホールは業界を改革するために積極的に大卒を採用するようになったからだ。
今や大卒採用は大手だけではなく、10店舗未満のホールでも取り組む時代となった。
Aさんが最近「変わった」と思ったことがニュース報道でのホールの従業員の表記及び呼び方だ。かつては、「パチンコ店店員」だったものが最近のニュースで「遊技場従業員」になった時は驚いた、という。
確かに、「パチンコ店店員」と「遊技場従業員」では言葉の響きやイメージが変わってくる。
これに関連してAさんが思いついたのが「パチンコ」と「ぱちんこ」の違いである。警察の公文書では「ぱちんこ」の平仮名表記だ。パチンコの看板なども「ぱちんこ」と平仮名表記に全国で統一したら、カタカナ表記よりもパチンコのイメージが柔らかくなる。
「牛丼屋の看板とスターバックスの看板では断然スターバックスの方がかっこいいですよね。『ぱちんこ』という表記で全国統一のロゴマークを作り、店の看板やチラシにそのロゴマークを入れる。イメージを変えることで、働く我々の気持ちも変わってくるというものです」(Aさん)
今、全日遊連ではチラシに必ずのめり込み防止の標語デザインを入れるようにしている。だから、統一のロゴマークを作ってチラシに入れることはそう難しい問題ではない。
平仮名表記にすることでパチンコのイメージがどれぐらい変わるのか挑戦してみて欲しい。
ちなみに、世界的ブランドのGucciが2016-17年秋冬コレクションでパチンコを使ったキャンペーン広告を展開している。P-MEDIA JAPANによると、次のように紹介されている。
クリエイティブ・ディレクターにアレッサンドロ・ミケーレが就任以来、大都市のストリートを舞台にしたキャンペーンビジュアルを制作しており、今回選んだのは東京のストリート。 パチンコ店や日本家屋でしゃぼん玉で遊んだりと、ミケーレによる「グッチ」独特の、時代と空間を超えるカオスでファンタジーな世界が描かれている。
欧米でパチンコがカッコよく紹介されるだけでもイメージは変わる。
でも、イメージだけ変えても、クソボッタ釘ではどうにもならないという批判の嵐が襲来して来る。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。