パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

投資意欲を妨げる2024年

メーカーの繁栄がホールの衰退につながっているという歪な業界構造がパチンコ業界である。メーカーと消費者が共存共栄によって産業は成り立つものなのに、機械営業に頼るしかないパチンコ業界では、ある時期から抱き合わせ・機歴販売が常態化してホール経営を苦しめてきた。

それを象徴するかのようにあるホールオーナーがこんな話をしていた。

「9月決算では増収増益だった。ただ、機械を買い過ぎて最終的には赤字になった。機歴問題もあるので買うしかない」と苦笑いをする。

そして、現在全日遊連でも問題になっているのがシン・エヴァの不公正販売だった。今に始まったことではないが、全日遊連のホームページにアンケートページを作り、実態を書き込むように各ホールに協力を要請しているところだった。

「抱き合わせ・機歴販売がホールの体力を消耗させ、それがひいては稼働低下の最大の要因になっている。われわれ、ホールがこの問題を口に出さなかったら、ホールはこの販売方法を理解しているとメーカーは解釈してしまう。自分のホールを守るためにももっと意見を言うべきだ!」(ホール社長)と憤る。

しかし、抱き合わせ・機歴販売が問題視されて随分経つのに一向に解決していない。それに対してメーカーは「ホールは文句を言っても結局買う」と見越しているからだ。ホールの要望に耳を傾けないのは販売方法だけでなく、バカでかい筐体問題でも全日遊連からの改善要望に対しても馬耳東風だった。

バカでかい筐体問題と言えば、運送業界の2024年問題が控えている。来年4月からは運送業界の残業時間が年間で960時間以内と定められている。

パチンコ店の機械納入は閉店後の深夜が当たり前だった。これに対して遊運協からの要望は先納品や日中納品など、深夜作業を伴わない時間帯への変更や納品時の時間指定をなくして、運送会社の都合に合わせることが、運賃値上げの抑止になるとしている。さらに、ドライバーの待機時間がないようにスムーズな引き取りや、荷台渡しなどの改善協力も要望している。

そもそも、遊技機の運送代は一般貨物に比べると割高になっているのは、筐体がどんどん重たくなったからだ。昔は1人で運べたものが2人がかりになった。コンパクト軽量化を図れば運送もずいぶん楽になるのだが一向に改善される気配はない。

運送料はホールの協力如何で現状維持か値上げかになってくるが、ホールの営業形態を考えると深夜納品を変更するのは難しそうだ。

さらに本格的にホールの体力を消耗させるのが、来年7月に予定されている新札の改刷対応だ。ビルバリ交換は遊技機の台数分発生する。経費が出なければこれを機会に廃業するホールもあるだろう。小さな抵抗としては新札の両替機をカウンターに1台だけ置いて、ユニットはそのままにすれば、多額のコスト負担は避けられる。

2024年問題は運送業界だけでなくパチンコ業界にとっても2024年は正念場となりそうだ。



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パチンコでクレカが使える時代は来るのか?

アメリカ・ニューヨーク在住の日本人から聞いた話だ。

アメリカでも大谷翔平の契約金の話でもちきりとなった。なにせ、メジャー史上最高の総額7億ドル(約1015億円)で契約を結んだだけでなく、年俸の97%が後払いになった。これに関しても「Shohei is clever」。

彼らの読みは、大谷が描く青写真では現役引退後にもドジャーズ球団に残り、将来的にはドジャーズ球団のオーナーになることを目論んでいる。そのための資金を契約金からあてがうために変則的な契約を交わしたのではないかとも言われている。

話しは2030年秋に開業を予定している大阪IRに移り、日本でカジノは成功するかどうかが議論の中心になった。アメリカ人のバンカーはインターネットで日本のパチンコの情報も仕入れていた。

パチンコの設置220万台、スロットの設置台数130万台の合計350万台あまりが全国のホールで稼働している。アメリカ人から見ればスロットマシンが350万台もあるようなイメージで、「日本人はギャンブルが大好き」と彼らの目には映る。本場のカジノを日本人に教えたらもっと嵌る、と読む。

そもそも、アメリカではカジノは限られた州にしかない。日本のようにそんじょそこらにパチンコ店があるようなお国柄ではないので、アメリカはギャンブルをやる習慣が日本より少ない。

その席にいた日本人は「日本のサラリーマンはそんなに給料を貰っていないので、日本でカジノはうまく行かない」と反論した。

アメリカはカード社会なのに対して、日本はキャッシュレス決済が増えては来ているが現状は現金が多い。

バンカーは「カード会社にとってパチンコはチャンスだ! なぜ、カード会社はパチンコ業界を攻めないのだ!」と叫んだ。

日本人は「ギャンブル依存症が多いのでクレジットカードには慎重になっている」と説明した。

「それなら外圧を掛けるのが一番だ! 外圧を掛けてアメリカの要求をのませたらいい。パチンコでクレジットカードが使えるようになったら、パチンコ業界は絶対に拡大する」(バンカー)と息巻く。

アメリカ人の発想は遊技機性能を上げて売り上げを上げるのではなく、おカネを使いやすくして売り上げを上げる。バンカーらしい思考回路でもある。クレジットカードでパチンコが打てるようになれば、Visa ,Mastercardの手数料収入も増える。その先にはキャッシングも見えてくる。

パチンコ店でクレジットカードが使えるようにと大阪のホールオーナーが30年ほどまえに警察に掛け合ったことがある。プリペイドカードが使えるのだからクレジットカードが使えればもっと利便性が上がる、という考え方だった。

当時はまだまだ時期尚早。門前払い同然だったが、キャッシュレス決済をパチンコ業界にも導入しようという流れの中で、クレジットカードの扱いはどうなるのやら。依存症対策の観点からはNGだろう。



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押しボタンメーカーのone Aが大阪万博へヘルスケア用品を出展

関西ローカルの夕方の情報番組を観ていた時だ。

大阪・関西万博の大阪パビリオンに出展する企業の選考会の模様が流れていた。その時聞き覚えのある社名が出てきた。

「one A」

業界人なら知っている呼び出しランプメーカーのあのone Aだ。

大阪パビリオンは別名大阪ヘルスケアパビリオンとも呼ばれている。そもそも今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。

人間一人一人が、自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにするとともに、こうした生き方を支える持続可能な社会を、国際社会が共創していくことを推し進めるものだ。

ということでone Aが出展するのは睡眠環境を変える商品だった。

選考会には48社が構想をプレゼンし、その中から32社が選ばれる選考会で、見事one Aは選ばれ、大阪・関西万博出展の栄冠を勝ち取った。

one Aの事業内容を見ると、呼び出しランプのアミューズメント事業部を筆頭に、金属切削加工事業、産業機器事業部、EMS事業、ウエルネス事業から成り立っている。

同社では近年、人々の健康をサポートする製品の開発に力を入れていて「万博では“睡眠”に関する知識を理解していただく空間を提供しようと思っています」と川上常務がプレゼンを開始した。


ウエルネス事業が開発したいびき対策・快眠サポートするウエアラブル器具は、睡眠の質を下げるいびきを止める商品の開発に成功したもので、この装置を首に付けると、いびきを確認すると装置が振動して、無意識に寝返りを打たせることでいびきを食い止めることができる。


選考の結果出展が決まり、同社の川上常務は「自分たちの商品を日本だけでなく、世界の人々に見てもらうというのはとても良いことだと思うので今回、頑張って出展させて頂きたい。メイドインジャパンを大事にしているので、それをいかに出せるかを考えていきたい」と抱負を語っている。

パチンコ業界関連企業の大阪万博出展は久しぶりに明るい話題でもある。


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タクシーにまつわるパチンコネタ2題

タクシードライバーネタを2題お届けしよう。

まずは、タクシーという密室空間での会話だ。

銀座で年配客2人を乗せた。銀座で飲んで帰る先は、横浜経由の最終目的地は相模原市だ。深夜料金を含めると3万円コースに心の中で「ラッキー」と思わず叫んでしまった。

2人の会話から遊技機メーカーの関係者であることが分かった。10年後は上場メーカーだって業績は半分以下になるなどの話をしていた。

ふいにドライバーに「運転手さんはパチンコはやるの?」と声を掛けてきた。

30代のドライバーは「やったことないですね」と答えた。

「確かに5~6万円持っていないと安心して打てないからね」と遊技機メーカーと思われる客は応じた。

この金額を聞くだけで庶民の娯楽とは大きくかけ離れていることが分かるが、業界人の金銭感覚は茹でガエル状態になっているから、この5~6万円という金額に不感症となっているから、どんどん世間とずれていく。

1回の投資額が5~6万円といえば、サラリーマンの小遣いよりもはるかに多い。サラリーマンの姿がどんどん消えていくわけだ。

「ホールは日銭が入るからいいけど、メーカーはそういうわけにはいかない。ヒット機をコンスタントに出さなければ潰れる。メーカーが潰れないようにするためには、大改革が必要だが、どんなにいい機械を出しても、ホールが全部台無しにする。昔は釘の技術があったが、今は閉めるだけで機械を活かす能力がないホールばっかり。それをメーカーに責任転嫁する」と愚痴ったところで1人は横浜で降りた。

ここからもう一人の独演会が始まった。

業界のスキャンダル話になった。

「年間500台買ってくれたら、2000万円のキックバックをしているメーカーがある。1000万円のキックバックより、2000万円という大きな山を作ってその目標台数が500台だった。会社は経費は出すから、売れ、売れと発破をかけていた。それで私腹を肥やしていたことがバレて首になった人もいる」

相模原の目的地に到着するとそこは大豪邸だった。

2つ目はタクシードライバーが競馬で200万円勝った時の話。ゴルフでホールインワン達成者が仲間に記念品を配る感覚で、1人3000円の記念品を配った。

それが「パチンコ必勝の教科書」だった。どうしてこれを選んだのか? 半分はシャレだが、ドライバーの顧客が攻略会社の社長だった縁から、「たくさん余っているからくれてやるよ」と相成った。

社長は攻略本が売れなくなった理由を次のように分析していた。

「パチンコをやるバカが減ったから売れなくなった。昔はバカがたくさんいたから売れた。オカルト情報だってバカが買った。3000万人いたファンが今は700万人。2300万人はバカだったということ」

それも一理あるだろうが、カネがかかり過ぎることが一番の原因だろう。


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パチンコ客と親和性が高いQRコード決済でキャッシュレス化

パチンコ業界でもキャッシュレス決済が議論されるようになっているが、ペイペイなどのQRコード決済は、パチンコ客との親和性が高いと言われている。

経産省による2021年度のキャッシュレス決済調査では、利用率は32.5%だった。シェアの内訳はではクレジットカードがトップで27.7%、次いで電子マネー2%、QR決済1.8%、デビットカード0.9%と続く。金額ベースでいうとQR決済は9%ほどで、大きな買い物をはじめとしてほとんどがクレジットカードを使っている。

つまり、QR決済は筆者もそうだがコンビニなどの小口決済利用が大半ではないだろうか。

業界のキャッシュレス化に関わってくるのは設備機器メーカーとなってくるわけだが、台間ユニットをクレジットカードが使えるように改造する場合とQR決済では、コスト的にはQR決済の方が安い。

業界がキャッシュレス化を推し進めたい理由は、来年春以降に始まる新札対応のためのビルバリ交換だ。ホールの場合は台間ユニットの台数分費用がかかるので、膨大な出費になる。

これが完全にキャッシュレス対応ができれば、コスト負担が大幅に緩和される。実際、新札対応するだけの体力がないホールは、それを機に閉店するところも出てくる。

QRコード決済に際しては、お年寄りでも簡単に扱えて、100円単位で使えるように、という要望がメーカーの方には届いている。1パチに対応するためには100円単位の方が優しい。

さらに会員カードの貯玉情報を紐づける機能の要望もある。会員カードは1枚500円もコストがかかるので、スマホ1台でQRコード決済と会員管理機能が一元化出来たら、ホールにとってもコスト削減が図れる。

QRコード決済に食指を動かしているのは設備機器メーカーやホールだけではなく、大元のQRコード決済会社だったりする。小口決済利用が多いので、1回の利用金額が多いパチンコユーザーに白羽の矢が立つわけだ。

コンビニでちょっとした買い物などの小口決済はQRコード、それ以外はクレジットカードという棲み分けができているこの牙城をパチンコで切り崩すことはできるのか、というとパチンコ版でいうところの小口決済の0.25円、0.5円パチンコなどの超低貸しコーナー向き。そもそもpay payに5万円も6万円も入れている人なんてほんの一握りではないか?
1回の使用金額の予算が立てられないパチンコは、キャッシュレス決済には不向きな業種でもある。特にクレジットカードが使えるようになったら自己破産者を増やすと社会から叩かれることは間違いない。


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