パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

賞品を持ち帰り社会に循環させるシステムがホールの生きる道

ハンドルネーム「しょうゆ」氏が、業界の生き残り策について提言する。

以下本文

もう10年以上前のことになりますが、警察から一物一価を推し進められたときに賞品の充実も同じように推し進められていました。

陽にやけて色のくすんだオモチャや流行の終わったCDなどしか置いていなかったホールにもいろんな賞品が並べられていきました。

当時を思い返すと賞品については、
「どうせ客は特殊景品にしか交換しないのに一般景品を取り揃えるのはバカバカしい」
「一般景品に交換しても定価での交換にしかならないから損をする、スーパーや量販店で買ったほうがいい」
というような声が目立っていたように思います。

当時は自分でもその通りだ、ごもっともだと思っていました。
等価と等価に近い交換率に慣れてしまってそれが当たり前だと思っていました。

今になって思えばあの時も変換点になりえたタイミングだったんだろうなと思います。
等価をやめて16割(40個8枚)や14割(35個7枚)に戻せるタイミングだったのかもしれません。

警察は国民から嫌われないために、社会から存在を許される業種であれるために『一般景品を仕入れて定価で交換させて差益を得る』という在り方を示していたという見方もできるなと思います。

1万円までの商品という枷はありますが、揃えられる商品は膨大です。家電業界や食品業界などの他業種との繋がりを大きくしていけば他業種からも認められるはずです。

(今も少しはありますが)地場のお菓子屋さんや農家や酒屋などとの繋がりも強くしていけるはず。

『パチンコ屋さんは商品を卸させてもらっている得意先』という地位です。それがあればここまで嫌われることはなかったのかもしれない。

ギャンブルに振るだけ振って特殊景品にしか交換させてこなかった。一般景品には見向きもされなくなって他業種との繋がりはほとんど無い状態です。

客にパチンコで遊んでもらって、一般景品の方が喜ばれる状況を創り出さないといけないと感じます。

業界内だけでカネを回すのではなく他業種にも一般客にも循環していける状態になれば社会に必要とされる業界になれる。

ホールに仕入れの部署を立てて客の喜ぶ商品を揃えていくなり、ファン感謝デーのように組合主導で揃えていくなりできることはたくさんあるはず。(組合主導で一斉にとなれば他業界の力を借りることもできそうですよね)

等価をやめて遊技に戻して、賞品を持って帰ってもらってカネを社会に循環させるシステムを創るべきです。

偉い人は一物一価は、スロットに合わないから~とか目の前の小さなことで思考停止せず、にこういうことを考えて動いてほしい。

床下から大量に出てきた1gの金賞品をTUCが買い取りを拒否したワケ

都内の一軒家を解体している時だった。床下から大量のTUCの1g金賞品が出てきた。それは亡くなったパチンコ好きのおじいさんが、コツコツと貯めていたものだということが分かる。

元々、金地金を買うのが好きだったので、パチンコで勝つとそのまま換金せずに家に持ち帰っていた。そう、貯玉をするのが趣味の人と同じ行動パターンだ。貯玉好きは、勝った玉はそのまま貯玉して、翌日は貯玉を引き下ろすことなく、現金でプレイする。いくら貯玉が貯まっているのかを見るのが楽しいタイプのように。

で、床下から出てきた1g金賞品の数は969枚もあった。

とりあえず、そのうちの30枚を持って近くのTUCへ向かった。すると、買い取りを拒否された。理由は本当に初期の金賞品で偽造対策のフォログラムが付いていないような年代物で、真贋機でチェックできないからだ。おじいさんが貯めていた1g大景品は2500円の時代のもの。ケースから取り外して貴金属店へ持ち込むことをアドバイスされた。

で、アドバイスの通りにケースから取り外して、貴金属店へ持ち込んだ。今は1g1万円ちょっと。969万円に。

この話は金が高騰して家庭から持ち込まれている金のエピソードについて取材していた週刊誌記者が掴んだものだった。

記者の興味はTUCに向かった。東京都が特殊景品を金賞品に切り替えた時、どれぐらいの金賞品を用意して、現在は利ザヤがどのくらいの金額になっているかを知りたいためだった。

取材を申し込んだが返事はなかった模様だ。そもそもTUCは買取業務をしているだけ。手数料収入の会社が流通している金地金を用意できるわけもない。

で、この記者が掴んだ別のエピソードではこんなケースもあった。

金の高騰で今まで閉ざされたままだった蔵を開けた。その蔵の中に明治時代の古い金庫が眠っていた。テレビ番組で古い金庫を専門家が開けて、お宝が出てくるか、という番組がある。放映されたものの中で、お宝らしいお宝が出てくることはほとんどないままに番組は終了する。

ところが、放送ができないケースもあるらしい。本当にお宝が出てくると税務署に観られることを恐れるあまりに、本人からの申し出で、放映を中止するケースもあるようだ。

明治時代の金庫から出てきたのは現在の価格で4億円分の金塊だったそうだ。旧家などにはまだまだ金のお宝が眠っているはずだ。


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確変を認めていなかったら健全な業界になっていた⁉

1989年(平成元年)、平和から発売された「ブラボーエクシード」は、数字の表示部分に業界初の液晶を使い、それまでの7セグから15セグで細かい表示ができるようになった。


この時の初は液晶を使っただけでなく、価格が初めて10万円台を突破した遊技機となった。この時の出来事を80代の同社の元所長はこう述懐する。

「10万円の値段設定には上層部は随分悩んだが、いざ発売してみると全くの杞憂に終わった。皆儲かっていた時代だから少々高くても買ってくれた。その後も上げても、上げても売れないことがなかった。メーカーにとってもホールにとっても一番いい時代だった」

そんな我が世の春を謳歌することは長くは続かなかった。脱税防止のために警察庁が推し進めたプリペイドカー導入からのCR機導入は、歪な業界にするターニングポイントだった。ま、この辺の問題は日報の過去記事で散々取り上げているので割愛する。

「警察がCR機から確変を認めて、射幸性があがったものだから、セブン機の売り上げがどんどん上がっていった。それにともなって売り上げの上がらないヒコーキやチューリップ台は廃れて行った。確変さえ認めていなかったら、こんな業界にはなっていなかった。今は打ちたい機械もない。業界に身を置いた人間としては寂しいばかりです」(同)

もしもCR機の確変を認めていなかったら、プリペイドカードそのものが進まなかったが、認めていなかったら連チャン機競争よりも電役機の開発競争になっていたら業界の今の風景は変っていた可能性がある。

平和の功績と言えばゼロタイガーをこの世に出したことだ。当初はヒコーキと呼ばれ、その後はハネモノに定着、各社がこぞって開発競争を繰り広げ、数々の名機が誕生した。

「Vゾーンに入る快感を皆が求めた。それが忘れられなくて、一発台の開発につながるが、最初に一発台の発想を持っていたのは大阪のホールだった。当時は思いついたことを機械に反映していた。だから面白い機械が生まれた。当時の電役機を今出してもヒットすると思う」(同)

タラればの話になってしまうが、その時、CR機に確変を認めていなかったら、業界はもっと健全な形で発展したかもしれない。電役機と言っても平成生まれには何のことか分からないが、ゼロタイガーが登場する以前は、電動で役物が動く遊技機を電役機と呼んでいた。

各メーカーが電役機開発に鎬を削ってくれたら、どんな景色のパチンコ業界になっていただろうか。



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面従腹背を地で行った結末

5店舗ほどを経営するホール企業の話。

この厳しい時期でもあり5店舗のうち1店舗は、閉店予備軍だった。ただ、立地条件がいいために、やり方次第では復活する可能性はある。そこで、オーナーが外部から有能な店長を引っ張ってきて、再建を託した。

閉店予備軍だけあって従業員のやる気のなさは、学園ドラマの中でもよく描かれる掃きだめのようなレベルだった。

新任店長は、まず、当たり前のことを当たり前にすることから着手した。行き届いていなかった店舗清掃を手始めに、45分と決められていた休憩時間を「暇だから」と勝手な理由をつけて60分に。エスカレートすると90分に延長したり、とやりたい放題だった。そんなことを改めることから始めなければいけなかった。

前任の店長がそれを許していたわけだから、従業員にすれば「面倒くさい店長」となる。

店長の指示に対しては「はい、はい」と聞くレベル。つまり、聞いたふりをするだけで指示されたことはまったくやらない。

そんな現場の状況をオーナーにリアルな姿で伝えるために、店長はウエラブルカメラでやり取りなどを録画した。

動画を見てオーナーは唖然とした。

人事の5段評価で言えばEランクの従業員ばかりだったことが改めて分かった。そりゃ、そうだろう。閉店予備軍のホールなわけだから優秀な従業員は配置しない。

ある日、店長は従業員の休憩室に「面従腹背」という四文字熟語を貼り出した。A4のコピー用紙に1字ずつプリントアウトして貼った。従業員の目には、否が応でも入ってくる。

意味は「うわべだけ上の者に従うふりをしているが、内心では従わない」ということだ。

まさに、今いる従業員のことを指している。

なぜ、貼り出したかというと、普通なら、知らない言葉があれば、調べるはずだ。案の定というか、調べる気配もなく、就業員の行動が変ることはなかった。学園ドラマなら、ここで店長の気持ちを理解したリーダー格の従業員が立ち上がり、「やってらろうじゃないか」と周りを鼓舞して、店の立て直しに協力するのだが、そんなことが起こるはずもなかった。

それがコロナ前のこと。

最近、そのホールが従業員とセットで売却することができたらしい。売却するホールは別会社にしていたようだ。稼働はよくなかったが、立地のポテンシャルがあることが、従業員とセットでの買収の決め手となったようだ。

第三者の目から見ても厄介払いができたように見えてしまう。買収した側のルールで今後は運営されていくが、その社風が合わなければ自然にいなくなるものだ。


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1周回ってコンビニのATMの抜群の収益性は、パチンコが原点だったことに気づけ

ホール専業では将来不安のため、新規事業開拓・異業種参入を試みるホール企業は大手だけでなく、中小ホールにまで及んでいる。パチンコから派生する事業は伸びる要素がないので、当然のことながら未知の世界へ目を向ける。

例えばこんな話があった。

水と二酸化炭素から人工石油を作るプロジェクトへの投資話である。そんな胡散臭い詐欺話と思って手を出さなかったのだが、これが実用化へ向けて着々と実験も進んでいる。

この研究を今年1月から大阪府・市が支援している。

人工石油は水を特殊な光触媒によってラジカル水にして、そこに種油と大気中の二酸化炭素を加えることで、人工石油ができる。

種油が軽油なら人工軽油ができる。種油が灯油なら人工灯油ができる。種油を加えるのは1回目の反応だけで、2回目以降の反応には新しい種油はいらない。種油10リットルとラジカル水8リットルから合成燃料1リットルが生成できる。軽油の場合は1リットルの生成コストが14円でできる。現在の軽油価格がリッター140円なので10分の1ということになる。

燃料を売るのではなく、燃料製造装置をレンタルする。現在は軽油と灯油の生成に成功しており、ディーゼルエンジンを使うバスや運送会社がレンタル先となる。機械のレンタル代を含めてもリッター50円ほどのコストで済む。灯油の方は北海道・東北の寒冷地の一般家庭が対象となる。

こんな異業種の新規プロジェクトは門外漢なので、ホール企業では判断しづらいことは容易に想像がつく。逃した魚は大きかった…。

で、現在探しているのは、コンビのATMの様な収益性の事業だ。コンビの中で、坪単価で計算して一番の稼ぎ頭が、ATMであるからだ。

セブンアンドアイホールディングスのコンビニ事業の営業利益と利益率が3132億円、12.3%に対して、ATMなどの金融関連は501億円、24.8%となっている。

ATM1台が占める面積は、わずか幅45センチ・奥行60センチだ。セブン-イレブンの平均的な床面積はおおよそ100㎡程度であるから、ATM1台が占める床面積の400倍ほどだ。床面積あたりで比較すると、ATMの利益はコンビニの40倍と極めて高収益であることがわかる。しかも、これが手数料収入だけだから驚かされる。

コンビニのATMのように設置スペースは狭小ながら、小銭を毎日大量に稼ぎ出すビジネスモデル…。その原点は100円で遊べるパチンコにあったはずなのに、それを今の業界人は完全に忘れ去ってしまっている。



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