例えばこんな話があった。
水と二酸化炭素から人工石油を作るプロジェクトへの投資話である。そんな胡散臭い詐欺話と思って手を出さなかったのだが、これが実用化へ向けて着々と実験も進んでいる。
この研究を今年1月から大阪府・市が支援している。
人工石油は水を特殊な光触媒によってラジカル水にして、そこに種油と大気中の二酸化炭素を加えることで、人工石油ができる。
種油が軽油なら人工軽油ができる。種油が灯油なら人工灯油ができる。種油を加えるのは1回目の反応だけで、2回目以降の反応には新しい種油はいらない。種油10リットルとラジカル水8リットルから合成燃料1リットルが生成できる。軽油の場合は1リットルの生成コストが14円でできる。現在の軽油価格がリッター140円なので10分の1ということになる。
燃料を売るのではなく、燃料製造装置をレンタルする。現在は軽油と灯油の生成に成功しており、ディーゼルエンジンを使うバスや運送会社がレンタル先となる。機械のレンタル代を含めてもリッター50円ほどのコストで済む。灯油の方は北海道・東北の寒冷地の一般家庭が対象となる。
こんな異業種の新規プロジェクトは門外漢なので、ホール企業では判断しづらいことは容易に想像がつく。逃した魚は大きかった…。
で、現在探しているのは、コンビのATMの様な収益性の事業だ。コンビの中で、坪単価で計算して一番の稼ぎ頭が、ATMであるからだ。
セブンアンドアイホールディングスのコンビニ事業の営業利益と利益率が3132億円、12.3%に対して、ATMなどの金融関連は501億円、24.8%となっている。
ATM1台が占める面積は、わずか幅45センチ・奥行60センチだ。セブン-イレブンの平均的な床面積はおおよそ100㎡程度であるから、ATM1台が占める床面積の400倍ほどだ。床面積あたりで比較すると、ATMの利益はコンビニの40倍と極めて高収益であることがわかる。しかも、これが手数料収入だけだから驚かされる。
コンビニのATMのように設置スペースは狭小ながら、小銭を毎日大量に稼ぎ出すビジネスモデル…。その原点は100円で遊べるパチンコにあったはずなのに、それを今の業界人は完全に忘れ去ってしまっている。

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