バイクファンならすぐに意味が分かるが、カブ主とはホンダの「スーパーカブ」の持ち主のことを指す。昭和33年に発売されて以来、世界累計で1億台以上が生産されている。
「カブ主総会」と称するファンミーティングも全国で行われ、数百台規模で思い思いにカスタムされたカブが集う。
カブの魅力は頑丈で、たとえ不具合が出てもすぐ直せること。燃費は50ccのカブなら公称値でリッター110kmも走る優れモノだ。荷物がたくさん積めるのは郵便局や新聞配達の活躍で実証済み。
カスタムパーツも各社から販売されており、安く、個性を出して自分なりの1台にしやすいのも魅力だ。
ちなみに、歌手でタレントのあのちゃんの愛車はリトルカブだ。
ホールの社長の話に戻すと、社長は20代でスーパーカブの虜になり、これまでに18台を乗り継いできた筋金入りのカブ主でもある。で、社長の夢は会社でカブ主総会を開くことだった。そこで社員にスーパーカブを自腹でプレゼントすることにしたところ、14人(うち女性3人)が手を挙げた。ちなみに、50ccの新車価格は25万円ほどもする。
自賠責と任意保険は自分で払うことを条件に14台を購入した。用途は通勤で使うのもよし、一切の制限はなく自由に使える。
で、この秋には14台を連ねて1泊2日でツーリングへ行く計画が進んでいる。いよいよカブ主総会が開かれる運びだ。
社長と社員の距離が近いホール企業であることが伺えるが、自社のことについても包み隠さず話せる風通しのいい社風があるようだ。
社員の1人がパチンコ業界の先行きについて質問した。それに対して社長は「上を目指すのであれば、店舗は増えない。しかし、残った人は最後まで面倒を見る」として、現在の8店舗から10年後には半減しているのではないかと示唆した。
その社員から一つの提案があった。
ホールの敷地の一角で中華料理店をやりたい、という申し出だった。奥さんの実家が街中華をやっており、奥さんは店のメニューは一通り作れる、ということだった。
社長の決断は早かった。土地はただで貸すが、建物と厨房機器はすべて自分持ちを条件にGOサインを出した。理由は店舗が減ることで余剰人員が生まれるが、そういう人たちの受け皿になるからだ。
この案件とは別に社員を調理師学校へ行かせて、2号店、3号店と展開することを考えている。
筆者はカブ主ではないが、オープンした暁には、ツーリング目的で食事に行って見たいものだ。

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