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上司のモラハラに損賠賠償を支払ったホール

パワハラ防止法が施行された2020年6月は対象が大企業だったが、ことし4月1日から中小企業にも対策を講じることが義務化された。

今やパワハラ問題はブランドイメージの低下や従業員の意欲の低下、退職の発生など不利益が多く、パワハラ防止法を守ることは企業を守ることに直結する。そんな状況の中で明るみになったのが青森県のハシモトホームのパワハラ事件だった。

パワハラ被害を受けた男性社員は、日頃から上司に「バカ」「アホ」と叱責を受けていた。新年会の余興で賞状ならぬ「症状」で、日頃の営業ぶりを誹謗中傷する内容で、うつ病となり自殺してしまう最悪のケースだった。

自殺から2年余り経った2020年12月、青森労基は上司のパワハラで重度のうつ病を患った、と労災認定する。そして、ことし6月に遺族が同社の社長に損賠賠償を求めて訴えたことから世間に知れることとなる。

当初、社長は「毎年の懇親会で、表彰の一環として渡していたもの。行き過ぎた表現だったかもしれないが、他の人にも渡していたので、亡くなった男性の不調の原因になったか疑問に思う」と事の重大さが分かっていなかった。

これが大バッシングを受けると一転する。

「事態を大変重く受け止めております。パワハラと認定される行為が実際に存在したと認識しております。ご遺族の方には直接おわびをし、出来る限りご要望を受け入れたく思っております」と全面謝罪に追い込まれる。社長の対応のまずさで会社のイメージは地に落ちた。

ここからは5年ほど前にホールで起こったパワハラ事件だ。

日頃から騒がしい女子社員に対して上司が「トリケラトプスみたいだね」と事あるごとに恐竜の名前で呼ぶようになった。上司はギャーギャーうるさいことを恐竜に例えたわけだ。

恐竜の名前で呼ばれることに対して女子社員はモラハラ、パワハラを感じるようになり、度重なったことをうつ病になった。

そして、その診断書を持って弁護士の所へ相談に行った。

「トリケラトプス」と言った上司は、全く悪気はなかったが、言われた方は恐竜名に例えられて心が傷ついた。証拠としてすべて録音していた。

診断書や録音を基に証拠も揃ったことから、上司と会社に対して損賠賠償を求める訴えを起こした。

ここからがハシモトホームとの大きな違いで、会社はこれ以上事を荒立てたくないと考え、損害賠償2986万円を支払うことで和解した。

ハシモトホームのようにニュースになれば、業界のホールに就職しようとする新卒者が、そのホールを最初から除外することを恐れたこともあった。

この一件で、社員教育の中にパワハラ問題なども含めて行うようになり、ハラスメント問題に対する社員の意識が向上し、パワハラ問題も解消されて行った。

会社側が素直に非を認めた結果、ボヤになることもなく、初期消火に成功した。ホールオーナーの危機管理が奏功した。


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