パチンコ日報

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パチンコ屋さん その1

島根県に出張の際、列車の待ち合わせがうまくいかず、一時間ほど駅前の喫茶店で時間を潰していた時のことです。

古びた喫茶店には先客がいて、お婆さん三人が世間話をしていたのですが、如何せん狭い店内のこと。聞くつもりはなくても全ての話が聞こえてしまうのです。

「あんた最近パチンコ行っとるの?」

「行っとるよ。家におってもすることないし、あれが一番やね。嫌なことも忘れられるし」

「そうだねぇ。でやっぱりイチパチだろ?」

「4円なんか打ってたらあんた、あっという間にコジキになっちまう」

「私もスナックやってた時はさ、気狂いみたいに毎日大工の源さん打ってたけどね、今は1円」

「そうそう、パチンコなんかに命かけてらんないよ。ま、いつ死んでもいいけどさ」

「あははは」

私は彼女たちの会話をほのぼのとした気持ちで聞いていました。それでいいんですよ、と心の中で相槌を打ちながらまだパチンコは死んでいないんだなと思ったものです。

人はどうしてパチンコをするのだろう、ということをよく考えます。
仕事が充実していて家庭が円満で、経済にも余裕があって、という具合に順調な日々を送れている人はパチンコをするのだろうか。

私は満たされている時にはパチンコなんかしないのではないかと思うのです。
逆を言えば何かストレスを抱えていたり、満たされないものが心の中にあったりする人達がパチンコ屋さんに足を運ぶのではないでしょうか。

件のお婆さんの一人がこんなことを言っていました。

「あれやってるとさ、嫌なことも全部忘れられるんよね。ほら、家にいて見ないテレビつけっぱなしにしてさ、一人でおるから話もせんし、出てくるのは独り言やろ。誰もおらんのになぁ。でもあそこ行けば、顔見知りがおって挨拶でもすればそれだけでも気休めになるしなぁ」

振り返ってみれば私自身もパチンコに狂っていた時は何か満たされないものがありました。特にこれが、というものではないのですが何か生活がつまらなかった時期でした。もちろん自分がそうだからと言ってパチンコ屋さんにくる方々全員がそうだという話ではないのですが、そういった方々もいらっしゃるのではないかと思うのです。

ホールで仕事をされるスタッフの方々もたまには何故このお客さんはうちの店に来るのだろうか。何故毎日負けているにもかかわらずまた来るのだろうか。という視点で思いを巡らせてみることがあって良いのではないでしょうか。

つづく


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