パチンコは構造(アナログ)の遊技機で、パチスロはコンピュータ抽選、と違いがあるように、遊技機としての基本性能がそもそも違うものである。
今のパチンコはすでにコンピュータ抽選機だ、という人もいるが、盤面には釘が存在するアナログな構造である。
パチスロはコンピュータ抽選機ですべてプログラムによって制御されているので、役比モニター問題も日電協は率先して取り組んだ。そもそも保通協の検査をパスしているので、役比を表示しても何ら問題はない。今年10月1日以降設置される5.9号機から役比モニターを搭載することを昨年6月に発表している。
ところが、パチンコは新台設置検査が終了すると、釘調整して営業するのがこれまでの慣わしであるため、役比モニターは店ごとに相当なバラツキも出てくる。ま、それはホール責任であるとしても、日工組側の腰が重たかったことは確かだ。
「パチンコの役比モニターは意味がないので、もう少し先になると思います」(パチンコメーカー関係者)というように、むしろ役比モニター搭載を回避できると思っていた節もある。
この件で、3月8日の衆議院内閣委員会で民進党の高井崇志議員が再び質問に立っている。同議員は昨年4月の同委員会でも役比モニターの設置を提案している。パチスロは自主的設置をすでに決定しているが、パチンコはその予定がないことに不満を募らせて、松本国務大臣に迫った。
松本国務大臣の回答を要約するとこうなる。
「パチンコの性能表示機能は射幸性を抑制するためにも、出玉性能が簡単に分かり、過度な射幸性を防止することができる遊技機の開発を日工組にも指導している。その実現への取り組みを警察としては見守って行く」としている。
遅ればせながら、パチンコにも役比モニターが搭載されることになるのだろう。
高井議員は検定機と性能が異なる可能性がある遊技機の撤去問題でも「1兆円規模で業界ぐるみの不正が行われていた」と問題視。大甘裁定に終わったことに対し、「警察庁とパチンコメーカーとの癒着ではないか」と指摘すると共に、そうなった原因を調べるように求めている。
パチンコメーカーが検定と出荷時ではゲージが違ったものの可能性がありながら、役比モニターの設置に躊躇することは、もはや許されない段階になった。
これが常時表に表示されたら、健全営業が一気に推進されることになるのだが…

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