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九州とはいえ1月の気温は寒い。
年末にグランドオープンした「玉屋筑紫野」の調査を終え、右手には端玉で取ったおにぎりを。左手にはホットコーヒーを持ちながら帰りのバスを停留所で待つ。びょうぼうと吹く風はあっという間に体温を奪う。今回はレンタカーではなく、ローカルバスを利用しての視察だった。レンタカーは便利だが、地元の交通機関を使った方が視察には良い。なるだけ短時間でもその街、その店、その土地の人、そして空気を吸うことが重要だ。
日本のホールを旅する。
まずはそう書きつける。正確にはタイプする、だろうか。このタイトルはノンフィクションの名作「日本の川を旅する」からパクった、もとい、インスパイアされたのだが、このタイトルに嘘偽りはない。日本全国のパチンコホールを旅しながら僕は日々の生活を送っている。直近の1月でいくと31日中、ホテル暮らしは実に18日だった。(今数えた)全国各地のパチンコホールを旅しながら、それを伝える仕事をしている。
さて今回。
僕は新潟出身なのだが、同郷のとある方から「パチンコ日報で何か書いてくれない?」というお声がけを頂いた。
正直、僕の文章にお金を払ってくれるお客様もおり「こりゃあ安易に引き受けたらお客様から袋叩きにあうぞ」という心配もあったがでも、全国各地のホールを旅する僕が、ビジネス半分・紀行文半分で許されるのなら…これはちょっと書いてみたいなとも思った。パチンコ日報のブログも、どちらかと言うとビジネスよりの文体だが、少し紀行文学のテイストが合っても面白いじゃないか。
先述したが、私の仕事の一つが「全国のパチンコホール営業事例を届ける」というものである。
故に月の半分近くは日本全国各地を駆け巡り(と言うとかっこいいが実際はドサ回りみたいなものだ)実際に足を運び、実際の目で見て、その事例や数値や根っこにある営業についてを配信する。
手荷物をひとつ持って、各地の店を巡り、時に頭を悩ませながら、時に軽々と動くペンに喜々としながら過ごす時間は何者にも代えがたい。
苦労もあったし、そんな言うほどお気楽な仕事でも無いけれど、それでもこのスタイルで仕事ができるという今の環境には感謝をしている。
朝ホテルで目覚め(偶にどこの都道府県に居るかわからなくなるけれど)弊サイトP-media Japanの更新を行い、やおらシャワーを浴びたら行動開始だ。
電車やバス、飛行機で目的のお店まで移動し、コンテンツを産み出しクライアントに届ける。
交通手段は「時間」と「効率」と「安い」を天秤にかけながら、偶に道草を意識しながら選ぶ。
LCCも使うし、レガシーも使うし、グリーン車も使う。高級ホテルにも泊まるけど、カプセルホテルだってゲストハウスにだって泊まる。
それらの経験は全てビジネスに活かされる。そう信じている。
グランドオープンイコール「成功」という図式が成立しなくなって久しい。
私は日本全国のパチンコホール、日本全国のほとんどを視察することが仕事の一部なので、この「グランドオープンが非常に厳しい」現実を特に実感している。のっけから甚だネガティブな話題で申し訳ないが、これは事実だ。
2017年(16年の年末)グランド事例は、昨年と比較すると「やや良い」傾向はあるものの
かつてのグランドオープン=最初の数週間はいわゆるグランドオープン景気で満台稼働は確定。平均アウトも3~4万発当たり前という状況ははるか昔に過ぎ去った。
(残念ながら、今現在もこの「昔の感覚」を持っているオーナーは多いと考えている)
さて玉屋筑紫野さん。博多駅ナカいつもの居酒屋でビールを飲みながら「店舗の見せ方が新しい」そんな事例になったのかなとひとり考えた。単純な低貸し専門店だけでは集客が難しい世の中だ。その振り幅の結果「新台専門」など色々なブランドが出てきたのだろう。けれど玉屋筑紫野店の場合は、外観は「普通のPS併設店舗」である。
正直、最初は低貸し専門店という認識すらなかった。
この機種構成、この台数、この設備。
ハイクオリティかつ地域最大級の低貸し専門店。そんなコンセプトで営業をしてしまいがちな店舗スタイルだが該当店舗が狙った店舗イメージはバッサリと、気持ちの良い、そして鋭いアプローチだったと考える。
考えるべきは店舗のポジションだ。人間がお店やサービスを想像するときのイメージだ。
パチンコ以外でも、商品やサービスには色々なポジションがある。すべての面を取るコカコーラ、ニッチを狙ったポカリスエット、さらにニッチなレッドブル、健康に特化した商品等々。ドリンク業界で例えても、すぐに何種類も出てくる。
翻ってパチンコ業界。低貸し専門店そのものがニッチだった時代は既に終了。その後はどうしても「細分化して」「特化して」という方向性に行きがちですが、該当店舗のケースは逆張り。ユーザーに取っても良い意味で期待を裏切った事例だったよう感じた。
ある意味大味、ある意味大上段なアプローチ。
※しかし店内で実施する営業は非常に細やか、そして徹底されている。
この【両輪】があるからこそ、視察時の高稼働に繋がったのだろうと考える。今後の稼働がどうなるか?はまだまだ不明だが、その後を追ってみたい店舗事例ではないかと予想します。
ということで、書きつけた「日本のホールを旅する」九州玉屋筑紫野さんでした。
もし好評であれば続編を、日本全国の事例からブログにしていければなあ…と思います。もし消えていた時は「ははん、反応がわるかったな、あやつ」とお考え頂ければと(笑)

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