大手が進出して来る場所でもないので、これまでのんびりと運営してきたが、「店長になって20年になるがこんなケースは初めて」と店長が頭を抱える問題が発生した。
20代半ばの男性をアルバイトで採用した。面接の時は何らおかしいと思うところはなかった。
先輩社員についてホール周りの仕事を教えて、独り立ちしたころから、様子がおかしいことに気づいた。
表周りをしている間、独り言をぶつぶついいながら回っているのだ。
その様子を見た常連客から「気持ち悪い」という声が上がるようになった。
その声は一人や二人ではなかった。中には、「あいつを寄越すな」というお客さんも出てくるほどだ。
監視カメラで見ても口元が動いているのが分かるぐらいぶつぶついっているのが分かる。
そんな時にアルバイト君がちょっとしたトラブルを起こした。
通路でお客さんとぶつかって、謝り方がよくなかった。売り言葉に買い言葉で、「そっちも、そっちだ!」とお客さんに歯向かってしまった。
店長はこれ、幸いに辞めてもらおうかと思っているが、1店舗しかないようなホールなので、労働契約に関する社内規定も完備していなかった。
勤務して1週間ほどだが、店長は悩んでいる。
労働基準局は労働者の味方なので、最近は簡単に解雇することはできないからだ。
今回はアルバイトだが、「事前に雇用契約期間を決めておくべきだった。今回の理由で一方的に解雇するともめる」と話すのは社労士。
通常は2カ月、と期間を定めて様子を見るのが一般的のようだ。2カ月未満なら社会保険へ入らなくてもいい。
では、今後どうすればいいのか?
「注意しても治らないようなら、警告書を文書で残すことです。同じ注意を何度やっても改善が見られないようなら、自主的に辞めてもらう方向に持っていくしかありません」(同)とアドバイスする。
最近は和民やすき家の例のように「ブラック企業」の烙印を押されると、アルバイトが集まらず、閉店閉店に追い込まれるケースも出てきている。
「ホールでも大手ならアルバイトは集まりやすいが、うちのような中小ホールには募集してもほとんが応募がない。そんな状態だから来た人を採用せざるを得ないのが実情です。選択する余裕がありません」(店長)と台所事情を打ち明ける。
中小ホールでも地元密着で、地域の祭りにも寄付するだけではなく、人も出すぐらい地域に溶け込む営業を心掛けて、悪評が立たない努力を日ごろから行っておかなければならない。

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