これは、勝ち負けの比率なのだが、今の機械は勝ちが1か2で、負けが9か8で断然負ける確率の方が高い。こんな機械ばかりを市場に投入しているのだから、遊技客が減少するのは当然の帰結だ。
「3割は引き分けになるようにしていないから、次の日も来られるお客さんがいなくなっている。昔の優秀な開発者はお客さんに勝たせることに拘った。勝った客は必ず戻って来るからだ。そこに3割の引き分け理論を組み入れる。勝った客と引き分けの客は、翌日も戻ってくる。この絶妙なバランスが今の機械にはない」(同)
この意見に同調するように別のスロットメーカー関係者もこう指摘する。
「昔のスロットはジャグラーのような機械が中心だった。勝っても大した金額ではなかったが、負ける額もそんなに大きくなかった。突っ込んだ金額の8割ぐらいは戻ってくるような機械だったので、そんなに負けた気分にはならなかった。それがチャラの範囲だった。また、来る気も起った。今は『事故待ち』で初めて勝てるような機械になっている」
やはりスロットの射幸性が高くなったのは、今、交換点検作業で問題となってサブ基盤が搭載されるようになってからだ。大当たりの抽選を行うメイン基板と違って、サブ基盤は音や光の演出を制御するためのもので、保通協の試験対象外だ。
その結果、合法的トバク機と揶揄された4号機の爆裂機が誕生することとなる。
今回の交換点検も不正がサブ基盤に仕込まれて問題となったのだが、不正対策のカシメや封印シールがまったく機能していない、ということでもある。不正されない基盤を作れば済む問題なのだが、そういう基盤なり、不正対策システムを構築しないから、いつまで経っても不正がなくならない。サブ基盤がなくなったら一番困るのはメーカーのはずだ。
大きく勝つか、大きく負けるか。爆裂機と等価交換でギャンブル化が加速した。遊技という範疇からかけ離れて行くのと軌を一にするかのように、遊技人口は減って行った。
稼働のない中で粗利を取ろうとするから、さらに客離れは進む。
パチンコは出たり、入ったり、チンタラチンタラした遊びだった。パチンコはアナログ時代が一番面白かった。デジタルになって面白さは停滞したままで、ベースは辛くなる一方だ。4円でパチンコを再生するなら、1/200、7個返し、2000発ぐらいのスペックに戻らなければダメ。1個返しで、回る回る機械を作っても無理だ。

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