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特殊景品の誤差を社員負担にしたホールでミスが激減

今でも特殊景品を景品自動払出機を使わず、手渡しで行っているホールも少なくない。



自動払出機はレシートをポスで読み取ることで、特殊景品が自動的に払出されるため、人的な数の渡し間違いを未然に防ぐことができる。



話は景品自動払出機が登場する以前のことだ。



そのホールチェーンは、景品誤差が毎日のように出ることに、経営者は頭を悩ませていた。月額換算で7~10万円出る店舗もあった。



ベテランのカウンター係がいる店舗では、比較的誤差が少ないのだが、新人が多い店舗ほど誤差が多い、傾向があった。



我慢の限界に来た経営者はある日、突然「誤差は社員が負担する」との方針を打ち出した。



誤差分は担当者と店長が折半することになった。店長が負担するのは指導不足が理由だ。



現場には動揺が走った。当然のことだが、中にはカウンターに入るのを嫌がるスタッフも出てきた。



結果的には、1カ月間で月額10万円ほど誤差があった店舗が、5000円~1万円にまで激減した。割合にして1/10だ。



やれば、できるものだ。



では、どうやって減らしたのか?



「お客様に手渡すときに、数の確認を徹底的にやりました。カウンター専従ではカウンターに入りたがらないので、表回りも含めて、ローテーションでカウンターへ入るようにしました。それと、体調の悪い従業員や、夫婦者で当日夫婦喧嘩をした場合には、ミスを起こしやすいので、シフトを変えました」



ミスは減ったものの、問題も起こった。



閉店間際のカウンターは、どうしても行列ができる。こういう場合、待たせてはいけない、という焦りが、余計ミスを引き起こしたりする。



こういうときこそ、より慎重に数を数えたために、行列がその分長くなり、お客はイライラしながら待たされるはめになった。



渡し間違い、というヒューマンエラーから従業員の不正までを解決したのが景品自動払出機だった。



これを業界で一番最初に開発したのは、設備機器メーカーではなく、広島の景品問屋だった。



景品問屋の社長が取引先のカウンター係りから「ジェットカウンターの金属音を何とかして欲しい」という悩みを聞いたことが開発のきっかけになる。



昔、ジェットカウンターは、景品カウンターに設置されていた。毎日そばで金属音を聞いていると体調が崩れる人もいるほどだった。



そこで、まず、カウンターからジェットカウンターを離すことから考えた。計数された玉数はレシートに印字し、それをポスで読み取らせ、景品も自動的に払出されるシステムを開発するに至った。



景品誤差が解消される機器として業界に普及していった。



カード型の特殊景品になるため、未だに自動払出機が採用されていない地域もある。カウンターの後ろに特殊景品が山積みにされている。防犯上も好ましくない。





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