日本の法人税は、外国に比べて高い。実際に、法人税の高さがネックとなり海外へ拠点を移す企業もある。それが、産業の空洞化を招く一因にもなっている。シンガポールは17%で海外の企業誘致に積極的に乗り出している。このままでは新興国にも国際競争力で負ける。
法人税の負担が軽くなれば企業には手元資金が増える。製品の価格競争も強化され、企業が元気になって、経済を活性化するのが法人税減税の狙いだ。
しかし、この法人税減税によって、経済が活性化するかは疑問視されている。日本の法人数は約250万社。そのうちの約73%(180万社)が赤字法人だ。法人税を減税しても3割弱の黒字法人にしか効果がない。
さらに、一番の問題は、減税分の財源確保ができていないことだ。1%の引き下げでも5000億円弱の減収となり、政府が目指す「数年かけて20%台」の引き下げとなれば数兆円もの穴が空く。
この状況にパチンコ業界からの財源確保を狙ったのが、自民党の「時代に適した風営法を求める議員連盟」(保岡興治会長)だ。通称は風営法改正議連。母体は2005年10月に発足した自民党遊技業振興議員連盟で、現在はパチンコ換金の法制化を実現するためにこちらへ移行している。
風営法改正議連は、換金するときに客から1%の「換金税」を徴収する提案を出している。ホールの懐は痛まないので、一見すると反対する理由もないように思われるが、そんなに甘いものではない。
ヒヤリングの時に、釘調整の違法性を恫喝まがいに指摘された。
換金税を業界が飲む代わりに、業界からの要望も聞く、という姿勢はあるようだ。例えば、釘調整を認めてもらうとか、店内換金を認めてもらうとかだ。
ただし、受け付けられないのは機械の射幸性を高めることだ。
風営法改正議連は換金税によって年間2000億円の税収確保を目論んでいる。これは恒久的な財源確保になるので、法人税減税の穴埋めにはなる。
ところが、風営法改正議連の動きは自民党の総務委員会は関与していない、という。換金税の法案が提出されるかどうかは、全く読めない状況にはある。
プリペイドカード導入の時のような荒業でも使う気だろうか?
業界にはホール団体だけでも5団体ある。それぞれの考え方、方向性が違うために5つもあるわけだが、このうちの一つが仕掛けたともいわれている。
おりしも、先日、安倍首相がシンガポールへカジノ視察に行ったばかりだが、新成長戦略にIRが盛り込まれることが決まったようだ。

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