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異業種に学ぶ。二反田醤油のだし道楽編

たまたま見ていたテレビで紹介されたのが、ダシの自販機だった。日本には数々の自販機があるが、ダシは全国的にも珍しい。





自販機の横には二反田醤油と大きく印字されている。本社は広島の会社だ。そういえば、同級生で醤油屋の息子がいたのを思い出した。インターネットで調べてみると、本社は田舎の住所だった。間違いなく同級生の会社で、今は跡を継いで社長になっていることが分かった。



「だし道楽」名づけられたこのダシは、アゴ(トビウオ)の炭火焼が、一匹丸ごとボトルの中に入っているのが特徴で、アゴがゆっくりと旨味を出し続けている。



田舎の小さな醤油屋の商品が、テレビをはじめとしてマスメディアに取り上げられるまでなっているわけだが、ホールでも参考になるビジネスヒントがいくつか隠されている。



「普通の醤油を作って面白くないので、醤油の中に何かを入れることを思いついて一番合う食材を探していました。試行錯誤の上、たどり着いたのがトビウオでした。3年かかりました」(二反田社長)



自信作を世に広めるために二反田社長が取った行動は、だし道楽を使った直営のうどん店を始めることだった。焼きアゴと昆布を使ったダシは評判になり、店舗は2店舗になった。店内でもだし道楽を販売していたが、お客の「いつでも買いに来たい」という要望を聞くうちに、店舗の前にだし道楽の自販機を設置したのが、始まりだった。



自販機での販売に手ごたえを感じるうちに、自販機をもっと広めたい、と考えるようになった。そこで社長が目を付けたのがコインパーキングだった。



知り合いにコインパーキングの関係者がいたので相談した。すると、広島市内の繁華街の基町に設置することができた。



市内の一等地に店舗を出店しようものなら、家賃はバカ高くなるが、コインパーキングの一角なら賃料も大幅に安い。





市内の一等地にダシの自販機は、メディアも注目することになる。現在、自販機は地元広島だけでなく、名古屋、大阪、岡山、福岡、長崎のコインパーキングの一角に設置して行っている。その都度、メディアで紹介されるようになり、フジテレビのめざましテレビでも紹介された時は、注文が殺到した。



さらに、だし道楽が広まるようになったのが、SNSの力だった。SNSユーザーの行動パターンとして、珍しいものを見つけると、すぐに写メを撮って、ブログやツイッター、フェイスブックにアップする。



それを見た人また拡散して、興味を持った人は話のタネに買いに行く。一度買うと実際に美味しいので、リピーターになると共に、今度は友達にプレゼントで配ったりする。



つまり、広告費用を一切かけることなく、メディアやSNSが商品の宣伝をしてくれるので、どんどん売れていく。



自販機に狙いをつけたもう一つの理由が価格設定だった。卸元に販売を委ねると値段を叩かれるので、商売としてのうまみがなくなる。自販機なら値段を叩かれることもない。



だし道楽は500mlで650円だ。液体ダシは大手メーカー品となると1lで300円程度で販売されているが、自販機なので価格競争に巻き込まれることもない。



後は自販機の設置台数を増やせば、必然的に売り上げが上がるのだが、ことはそう簡単ではない。



原材料となるトビウオでも、ボトルの中に入るサイズともなると限られてくる。漁獲は秋口からでその時に1年分の材料を確保するのだが、仕入れ先を増やすこともしなければならない。



今年は、去年の3倍のトビウオの発注をかけている。







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