オフィスジャパン(坂本元社長)が主催する新台研究ゼミがそれ。略して新研ゼミだ。新台を選定する「目利き力」を高めることを目的に始められ、第3回新研ゼミが6月20日、東京・上野にある同社の教室で開かれた。

新台はホール営業に欠くことはできないが、競合環境やエリアの需給バランスによって、効果を発揮しないことも往々にしてある。最近では、人気のルパンを増台、増台してガラガラのコーナーになっているホールも少なくない。機械代がホール経営をひっ迫する中、機械購入は失敗しないことが求められる。
そこで新台研究シートを作成し、ゼミで議論を重ね、機械の選び方や機械運用の精度を上げて行く。新研ゼミを通じて各社の視点・考え方を集約し、最終的には自店オリジナルの新台研究シートを完成させる。新台研究シートには以下の項目がある。
■導入前
・購入の決め手
・台数を決めた理由
・自店でのターゲット
・初週の運用方法
・試打での所感
・自身の直観
・その他
■導入後
・購入して良かったのか、悪かったのか
・台数は良かったのか、悪かったのか、その結果による適正台数
・アウト予測に対する結果
・利益予測に対する結果
・自店のお客様の動き、声の反応
・自店スタッフのホール対応における感想
・導入前の意図通りに運用できたか?もしくは、運用方法の変更を行った場合の理由
・増台、減台を行った理由
・導入後の所感
・その他
参加者はホールで実際に機種選定をしている担当者。導入した新台が正解かどうかは、店の立地や客層によって状況は変わって来る。正解はあってないようなもので、その中から、仮説を立て、検証しながら日ごろ、どのような目線で機種選定しているかを議論した。
この日は、過日発売された「キン肉マン」を題材に、新台研究シートを作成し、導入前評価を議論した。
まず、導入前に購入の決め手となった理由として、以下のような意見が挙がった。
・キン肉マンというネームバリュー、知名度が高い
・キン肉マンなら映像イメージも湧きやすい
・以前のパチンコ、スロットでもSISの貢献週実績がある
・MAXタイプを主力機にしているので
・京楽なら大きなハズレがない
・メーカー名ではじくが京楽ははじかない
・GW明けに他にいい機械がなかった
・自店客ニーズ
・パチンコとしての完成度が高い。大当たりの時の決まった感
次は購入台数だが、各ホールとも競合店との兼ね合いが鮮明になってくる。
・競合店予測を元に決める。競合店がボックスなら+10台。負けられない機種は負けられない台数にする
・来店客層の人数で決める
・年間予算の中で、勝負するときは他の予算を削る
・予算オーバーでも利益が取れればOK
・多い購入台数の場合は転売益で次の購入費に充てる
・女性向のコンテンツではないので、女性客の比率が高い店は導入しないこともあった
興味深いのは初週の運用方法だ。業界では利益を頂いても、稼働が落ちない機械をいい機械と定義している向きがある。
・新台は動いて当たり前。初週は利益を頂き、2~3週目で還元するタイミングを見極める
・新台の稼働が落ち始める3週目ぐらいからSISを参考にする
・3日目で増台するかどうかを見極め(3日間の1人当たりの遊技時間)、1週間目でスタンバイからGOに変わる
今回はキン肉マンを題材に議論が重ねられた。会社によって機種選定のポイントの違いも浮き彫りになってくる。今後「評価の指標化と方程式化の議論」を積み重ねてオリジナルのシートを完成させていく。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。