この関係から、パチンコ店の景品はスロットに合わせて20円単位の価格設定になってしまう。
つまり180円、200円、220円、240円…というような具合だ。
例えば、税込みで200円だった商品は、4月からの8%を受けて、206円になる。メーカーはコンビニなどには3%の6円を上乗せした206円で販売することを提案している。
消費税は消費者から預かるもので、そのまま転嫁すれば何ら問題ないのだが、1円単位の商売をしていないパチンコ店ではそれができない。
パチンコ店の場合は20円刻みなので、206円の景品は220円になる。14円の便乗値上げをしてしまうか、200円に据え置くかの二者択一となる。
ここはホールの良心が現れてくるポイントだが、中には3%の増税分を景品業者に被ることを要求するホールもある。
「3%を飲めということは、われわれに最終利益を吐き出せ、ということ。値上げして消費者に転嫁すればいいだけの話。10%になって再び飲めといわれたら取り引きは止めます。消費税を飲めというのはお客さんのためではなく、会社のためです」と憤るのは取引業者。
また、別の業者もこう口を揃える。
「飲めませんと一度は断りましたが、パワーに押されました。取引額では中間ぐらいですが、取り引きがなくなることもしたくないので、泣く泣くです。しかし、こんな要求するホールはそうそうありません」
そういえば、機械メーカーの中にはかつて、請求書の消費税分を支払わず、消費税を差し引いた額しか振り込んでこないところがあった。
今はどうか分からないが、今でもそんなことをしているのであれば、日本で会社をやる資格はない。
10%時代にも業者を泣かせているようなら、業者が離れ、やがてはお客さんも離れていく。
商売とは共存共栄できないものは、商売ではない。業者はホールの奴隷ではない。

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