パチンコ日報

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ちょっと役立つ四方山話はいかが

一時、ブームになった右脳崇拝。



「右脳を鍛えればこんなことが・・・」と云った表現が巷で溢れたことはまだ記憶に新しい。



そんな右脳ブームに警鐘を鳴らしたのが神経心理学の専門家、京都大学名誉教授で文学博士の坂野登教授だ。



今日は教授が1998年日本実業出版社から出された『しぐさでわかるあなたの「利き脳」』の中身を一部ご紹介したい。



ここではほんのお触り程度なので、興味を持たれた方は書籍を読まれて深く理解されればよいと思う。



只、書籍は現在中古本しかないと思われる。そこで、2012年発刊の『二つのこころと一つの世界』(新曜社)を読まれたらよいかも知れない。



本書の「第七章 しぐさでわかる二つのこころ」にほぼ同じ内容が出てくるはずである。



それでは話に入りたい。



教授は利き腕の判断に使われる指組みと腕組みをみることで、利き脳も判断できると論じている。それは、通称「しぐさ利き脳理論」と言われているようだ。



それは自然に両手を組んだとき、どの指が上にくるのか、また、自然に腕組みしたとき、どちらの腕が上にくるのかによって、物事を理解したり、表現したりするタイプが違ってくると云うものだ。



また、教授は指組みはインプット(入力・理解)、腕組みはアウトプット(出力・表現)に関連することを指摘した上で、指組みや腕組みの仕方で以下のことがいえると論じている。



第1タイプ:右指上/右腕上 → 論理的に理解し〔左脳が利き脳〕、論理的に表現〔左脳が利き脳〕

                   

第2タイプ:左指上/左腕上 → 直感的に理解し〔右脳が利き脳〕、直感的に表現〔右脳が利き脳〕

                   

第3タイプ:右指上/左腕上 → 論理的に理解し〔左脳が利き脳〕、直感的に表現〔右脳が利き脳〕

                   

第4タイプ:左指上/右腕上 → 直感的に理解し〔右脳が利き脳〕、論理的に表現〔左脳が利き脳〕





ここまで書くとネッド・ハーマンが開発した人間の思考優先度を明らかにするハーマンの全脳モデルをイメージされる方もいるだろう。



しかし、そのアプローチ方法(検査方法)に大きな違いがあるので、私自身は似て非なるものと捉えている。



現実としてパチンコ業界は離職率が高く、人の出入りが結構激しい業界と言える。そんな業界環境にはこの理論の活用は有効だと思う。



素早くしかも簡単に相手の思考と表現パターンいわゆる情報のインプットとアウトプットの傾向が分かることは受け入れ側にとってありがたいはずだ。



但し、何事もそうだが、狂信的、絶対的はよくない。だから、一つの判断基準と云う域にとどめての話ではある。



ビジネスの世界ではパチンコ業界に限らず指示・命令は常に発生する。また、「報・連・相」は日常的につきまとう業務行為と言える。



そうなれば、まず自分の情報のインプットとアウトプットの傾向を自覚できているに越したことはない。



その上で、相手の傾向も知っておくとコミュニケーションがよりスムーズになるし、精度が高くなる可能性が十分に考えられる。



人は「無くて七癖あって四十八癖」と言う。ならば情報のインプットとアウトプットにも癖、何らかの傾向があってもおかしくない。



そして、その大もとはやはり脳だと考えるのも自然だと言える。脳の使い方にも癖がある。利き脳があると云う言説はなかなか興味深い。



業務の中で想像されることを具体的に表現すればこういう話だ。



一つに、論理的に理解するのが得意な部下に、直観的な表現で上司が指示を出しても上手く伝わらない場合がある。



また、直観的に理解するのが得意な部下に、上司が丁寧に細かく論理的に表現しても核心が伝わらない場合がある。



あるいは、自分では論理的に説明しているつもりでも、相手にとっては直観的な表現の連続に過ぎないと云うことも・・。



日頃から何となくコミュニケーションが旨く取れない部下や同僚、上司がいたら、この利き脳を調べてみると云うのも一考かと思う。



まずは自分の利き脳を意識する。そして相手の利き脳を知る。その上で、自ら調整を加え意志疎通を高め、職場の活性化に繋げる。



この厳しい業界環境を背景に経費0円でやってみる価値、また必要性のある職場は意外とあるような気がする。



最後にもう一度断っておくが、一部法則科学の分野は別として『○○理論』に絶対はないだろうし、例外は在るだろう。



また、此処で書いたことは『しぐさでわかるあなたの「利き脳」』の中のごく一部に過ぎない。書籍ではその複雑さも語られている。



そのことをご理解戴いた上で、職場のムードづくりに「しぐさ利き脳理論」を一つのツールとして活かすのも良いのでは?



あくまで四方山話として寛容に受け止めながらとは云え、なかなか侮れないツールだと思っているので・・。
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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. Unknown

    環境と遺伝なんかも依存の呼び水としてある。
    脳内支配  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 脳内支配

  3. コミュニケーション

    信憑性はともかく相手を理解しようとする姿勢は良い事です。

    対話がないと理解出来ない部分も人にはありますよね。



    ただ離職率の高さはやはり労働環境が1番ではないでしょうか。



    ビジネスと割り切れればコミュニケーションがなくとも

    業種に関係なく仕事が滞る事はありません。

    それで滞るなら残念ながら能力が低い従業員なのです。

    (雇用側の能力が低い場合もありますが)

    お金と労働に対する対価はやはりお金。



    全面的に禁煙、ライトなど台の点滅による過剰な脳への刺激、

    騒音による脳への興奮を削減出来ないなら

    時給を増やす、有給を沢山与えて休養させるなど

    労働環境改善しかないでしょうね。

    打ち手は光と音と煙で麻薬の様に催眠状態で打ってるけど

    従業員からすれば、本来では感じる事が無い刺激が店内に居る間

    ずっとその環境に晒されるのです。

    精神や体力のダメージは相当だと思いますよ。



    今回みたいに話のきっかけで、こういうの知ってる?

    右脳とか左脳とかって話題から相手の内面を探り

    もしちょっとでも疲れている様なら休養させてあげて欲しいと思います。



    店が人を大事にすれば離職率も減るでしょう。

    従業員は機械じゃないですから

    お客さんに不満の声を浴びせられる人もいるでしょうし。



    個人的には雇われるなら時給で3千円は貰わないと割りに合わないかな~。

    元スロッター  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 元スロッター

  5. 酷い業界だから

    店が社員を大事にする?当たり前。しかし!パチンコ屋の場合は客を大事にしない。そして社員が客に八つ当たりされる!そして離職。

    恨まれても仕方がない職場だから世間的に仕方がないから待遇で解決しかないですよね。

    経営陣は金しか頭にないから思いやりは無ですから。
    Unknown  »このコメントに返信
  6. ピンバック: Unknown

  7. Unknown

    ホウレンソウやら伝達関係は定型化等、外形的な工夫でミスを減らしていくのが最近の傾向でしょうね。

    ある状況・状態などについて特定の言葉を充てることもその一つです。

    そういう言葉を類似した別のものに平気で充てて指摘されても反省のない人がここには見られますが・・・
    さる  »このコメントに返信
  8. ピンバック: さる

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