これに異を唱える業界人もいる。
「やはりお客さんは新台を求めています。消費税アップに対応するために業界では機械を買わない空気が蔓延していますが、新台を買わないということは、お客さんの来店動機を奪っているようなもの。4月以降は、ますます稼働が下がると思われます。今こそ、新台を大量に導入するホールが有利になります。お客さんの目に見えるところに投資できないホールは潰れていきます」(ホールコンサル)
逆張りの論理だ。
株の格言に「人の行く裏道に道あり花の山」というのがある。意味は、花見の時は人が大勢いくより所よりも、人があまり行かない裏山にこそ美しい花の山があったりする。相場も同じで、人気の少ない方につくのが鉄則という意味だ。
商売も人と同じことをやっていては流行らない、ということだろう。
この逆張りの理論を応用して成功しているホールがある。
日報にも新台導入派のコンサルの指導の下に、「3年間で4円の稼働が2倍以上になった」との業界関係者からのコメントが寄せられたことがあった。
稼働がアップしても利益が残らなければ、それは無意味なことだが、次のケースでは粗利もきっちり確保することにも成功している。
郊外型の400台クラスの店舗で、オープン当初は4パチ、20スロでスタート。周辺に強豪2店舗があったので太刀打ちできなかった。そこで低貸し専門店に衣替えするのだが、普通に低貸しにしたのでは、これでも戦うことはできない。そこで編み出したのが低貸し新台専門という新たなカテゴリーだった。
まだ、パチンコ業界が元気な頃、地域最速、地域最大、即転売という“3即営業”を大手が使っていた時期があった。
これを低貸し専門店に応用したのだ。
4円に比べて売り上げが1/4に下がる1パチ営業に新台を導入しても機械代は回収できない、というのが業界常識だった。
ところが、全国的に4パチの稼働が下がる中、4パチに新台を導入しても機械代をペイできなくなっているのが現状でもある。それなら、稼働のある1パチに新台を導入して回収する、という発想である。しかも、新台を1台、2台と導入するのではなく、1パチの常識を打ち破って、行けると思った機械は大量導入している。
日報では新台をバンバン導入する営業には否定的だが、低貸し新台専門店というコンセプトはズバリ当たった。
ただ、この手法がすべてのホールに効くわけではない。
このホールの話を聞いてすぐに真似たホールがあった。ところが、地域のお客さんが低貸しを求めていないこともあって、1カ月で断念した。
大量に新台を導入する方法は、まず転売を念頭に置いて営業している。前出のホールは、ジャグラーの中古機相場が高くなるや、ホールに設置していたジャグラーを全台売却。安値になった時に買い戻す、といった中古機トレードも熱心に行っている。
新台を購入した時点で売却先が決まっていないと、このやり方は非常に危険でもある。周りが新台を買い控えている中で、目立つ営業であることには違いない。

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