パチンコ日報

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3世物語 その2

大学生になった。1年生の時からパチンコ店でアルバイトを始めた。



働くうちに常連客とも顔馴染みになった。



バイトを始めて9カ月が経ったある日のことだった。よく話しかけてくる2組みの常連客から声をかけられた。



歳は20代後半から30代で、うち一人は見るからにチンピラ風だった。



「こんな仕事は止めて、もっと稼げる仕事をしないか?」



「えっ?どんな仕事ですか?」



「パチンコ屋のサクラだよ。この店には設定が入っていないが、設定が分かる店があるから一緒に行こう。その方が儲かるぞ」



後学のためにもサクラの実態を知っておきたかった。そんな好奇心から指定された集合場所に向かった。



そして、サクラとして向かった先が驚くなかれ父親の店だった!



「ここの主任から設定を教えてもらっている。それで設定6の台を打って、分け前は…」と説明を受けた。



父親の店でサクラをやるわけにも行かず、その日は理由をつけて断った。



すぐに父親にサクラに誘われたことを伝えた。



「サクラなんていう存在はない。それは詐欺話に決まっているから、引っかかったりするなよ」と逆に忠告された。



「お父さん、そうじゃなくて、うちの店の話だよ」



「えっ!」と小さく絶句した。



実家のホールは地域でも繁盛店として知られていた。設定漏洩をやられても分かりにくい環境にはあった。



設定を打ちかえるのは主任の役割だった。



思い当たる主任がいた。結婚して子供ができたばかりなのにやけに羽振りのいい遊び方をしていた。



2ちゃんねるの地元ホールの掲示板には、当該の2人組はサクラと書かれていた。暫く2人を泳がせることにした。



設定表と照らし合わせて、彼らが6の台に座っているかどうかを確認した。意外にも彼らが座った台は6ではなく、2だった。



設定表では2の台に座りながら、勝っていた。



設定2の台に一目散に向かっては勝っていた。



サクラは断ったが彼らとの関係は続いていた。



「お前、惜しいことをしたな。見ていて分かっただろ」



設定表では2になっている台を主任が、6に打ち変えていることを確信するようになった。



改めて調査結果を父親に報告した。



「やっぱりあの主任が怪しい。設定2を後から6に打ち変えているに違いありません」



父親は主任を呼び出し問い質した。



主任は「やっていません」とキッパリと否定した。



それから1カ月も経たないうちに主任は退職した。



つづく





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